米国通商関連知的財産権情報
(執筆:米国特許弁護士 服部健一氏)
米国特許法関連改正動向、米国特許重要判例の解説
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2023年5月号 ![]() |
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●出願前に出願人自身による公共使用があったという先行技術は、 クレーム発明が装飾的の場合、その出願の一年前にクレーム発明の写真と説明書を公共に頒布していたことによって成立する 1. はじめに 2. 背景 a. WinGen 社の959特許 3. CAFC判決 4. まとめ |
米国特許法101条の特許適格主題に関する情報
米国通商関連知的財産権情報 Back Number
2022年度
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2023年3月号 |
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●当事者系レヴュー(IPR)において、請求者の専門家証人は技術的資格があり、且つ自明性の主張に論理/信憑性がある一方、特許権者の専門家証人は特許技術に見合う技術的資格がなく単に自明ではないという主張の場合、特許は自明で無効であるとCAFC判決 1. はじめに 2. BMI社の096特許 3. IPR(当事者系レヴュー) 4. CAFC控訴 a. 控訴資格 b. 専門家証人の適格性 c. 先行技術 5. 結論 |
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2023年1月号 |
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●特許適格主題を具体的に規定する100条そして101条の改正上院法案, S.4734は、流れる、今年から始まる、118会期で再提案されるか 1. はじめに 2. 100条(b)の「プロセス」の定義の改正 3. 100条(k)の「有用性(useful)」の定義の新設 4. 101条の全面的改正 5. 特許適格手段判断のフローチャート 6. 今後の状況/解説 ●汎用コンピューターを用いて手動プロセスを自動プロセス的に記載しただけでは発明的改善にならないのでIBMの2件のコンピュータ利用のプロセスクレームは特許不適格主題であり、特許無効とCAFC判決 1. 概要 2. IBMの2件の特許 3. 連邦地裁 4. CAFC 5. Stoll判事の反対意見 6. まとめ |
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2022年12月号(No.2) |
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●米国特許法の発明者は自然人であり、AIは発明者になれないという米国特許庁そしてバージニア州連邦地裁の判決をCAFCも支持判決 1. はじめに 2. 背景 3. 連邦地裁裁判所 4. CAFC 5. まとめ ●クレーム範囲を減縮補正して特許を得た場合には、特許再発行で放棄した主題を取り戻すことは出来ないという再取得禁止の原則(Recapture rule)は、101条の特許適格主題の拒絶で減縮した場合にも適用されるとCAFC判決 1.はじめに 2.背景 3.CAFC判決 4.Comments and Observations 5.まとめ |
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2022年12月号 |
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●仮出願を優先権主張するPCT出願に基づく国内移行出願がPCT出願の出願日を享受しない場合は優先権が切れ、仮出願が先行技術になり、国内移行出願の特許は無効になるとCAFC判決 1. はじめに 2. Konda社の523特許 3. Flex Logic社の当事者系レヴュー 4. CAFC控訴 5. CAFC判決 6. まとめ ●クレーム発明を開示している先行技術の記載は明らかな誤植である場合、当業者はその誤植に依存しないのでクレーム発明はその先行技術の誤植の記載から無効であるとは言えない、とCAFC判決 1.はじめに 2.背景 3.CAFC判決 4.Newman判事の反対意見 5.まとめ |
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2022年11月号 |
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●独立/従属クレームの関係が成立するためには、独立クレームは従属クレームの構造を読み入れるほど広くなければならないが、それが微妙な場合でも独立/従属というクレームの記載形式から,そして審査官の許可からその関係は推定され、クレーム差別論等(独立クレームは従属クレームを読み入れる等)から等従属クレームの構造を有するイ号は独立クレームに入り、侵害していると言えるとCAFC判決 1. はじめに 2. Littelfuse社の281特許 3. 連邦地裁 4. CAFC連邦巡回区控訴裁判所 5. 解説 6. 筆者による本判決と281特許の分析 |
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2022年10月号(速報) |
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●米国議会の上院、特許適格主題を具体的に規定する100条そして101条の改正法案を発表 1. はじめに 2. 100条(b)の「プロセス」の定義の改正... 3. 100条(k)の「有用性(useful)」の定義の新設 4. 101条の全面的改正 a.101条のタイトルは従来の「特許性のある発明(Inventions patentable)」から「特許適格性(Patent eligibility)」に修正されている。 b.101条(a) c.101条(b) d.101条(c)(1) e.101条(c)(2) 5. 特許適格手段判断のプロ―チャート 6. 今後の状況/解説 |
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2022年7月号 |
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●クレームの記載が抽象的概念であっても、明細書にクレーム発明は 従来技術を改善した具体的記載が十分あればAliceの第2ステップの 検討のみで特許適格性が認められるとCAFC判決 1.はじめに 2.CosmoKey社の903特許 3.連邦地裁 4.連邦巡回区控訴裁(CAFC)地裁 a.101条特許適格性 b. 903特許 c. Aliceの第1ステップ d. Aliceの第2ステップ 5.同意意見 6.他のCAFC判決 7.おわりに ●クレームに記載された発明はクレームの記載だけでは明確でなくても 内部証拠(明細書/審査経過)を参酌して明確になるのであればよい 1.はじめに 2.NSS社の961特許 3.連邦地裁訴訟 4.CAFC連邦巡回控訴裁判所 5.Judge Dyk’s Dissent(Dyk裁判官の反対意見) 6.解説 |
2021年度
3月号 | ・いくつかの異なる数値の個別の実施例がある当初の明細書に基づいて、それらの数値を包合する範囲のクレームを新たに作成して継続出願を出願した場合、元の明細書には数値範囲に係わるクレーム発明をサポートする記載がないので優先日は遡らないとCAFC判決 |
・第2~第4世代の自動車用移動通信を開発するための技術標準規格のための技術標準必須特許を管理するパテント・プール機関は、自動車会社にも部品を供給するContinentalにも同額のFRAND料金を要求しているが、ライセンス自体を拒否しているわけではないので独禁法違反にはならないとの地裁判決 その控訴で第五巡回区控訴裁は、そもそもContinentalには被害がなく、独禁法違反で連邦裁判所で争う原告適格がないと控訴判決 ・Intellectual Ventures Lab社(IV社)が提起した自動車会社トヨタ、ホンダ、GMに対する特許訴訟の概略 |
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1月号 | ・複雑な従来技術をコンピュータによって計算精度を改善しただけでは技術的に 十分な改善ではないので101条の特許適格主題とはいえず、また審判で提起し なかった議論を控訴で主張することはできない ・先行技術を回避するためにクレーム限定を狭く解釈して強い明確な 反論をして特許が成立した場合は、たとえクレーム範囲を広く 解釈することが可能でも権利範囲をディスクレーム(放棄) したと解釈されることがある |
・標準化団体が設定した標準規格に係わる必須特許に基づく特許侵害訴訟においては、裁判官がクレーム解釈を行って標準規格の絶対必要部分と比較して直ちに特許侵害を判断出来る場合があるが、 その際に事実認定が必要な場合は陪審員が評決しなければならない | |
11月号 | ・クレーム解釈において、クレーム文言の意味が内部証拠から明らかである場合は内部証拠のみに基づいて解釈を行い、内部証拠に整合しない専門家証人の証言という外部証拠に依拠することは不適切である |
9月号 | ・AIを発明者とするPCT出願に対し、米国特許庁出願部及び請願部は、特許法の規定そしてCAFCの過去の判決によると発明者は自然人のみであることから出願を却下し、バージニア州連邦地裁も是認判決 イギリス、EPO各特許庁も(恐らく日本特許庁も)同じく出願却下 オーストラリアと南アフリカはAIを発明者として出願を認める判決 |
8月号 | ・退職した研究者が退職直後に行った発明を、発明譲渡雇用契約により元の会社に帰属させるためには、研究者が在職中に発明を着想していたことを立証しなければならない |
7月号 | ・クレーム解釈においてクレームの限定が明確である場合は 明細書の記載を導入して解釈することはない。また、ライセンス契約や証人の証言・証拠を自明性を克服するための二次的考慮事項の証拠として使用する場合特許の有用性との「関連性(Nexus)」を示さなければならない ・CAFC判決 先行技術に実施不可能の記載がある場合、その記載のみに基づいてクレーム発明が自明であるとはいえないが、その記載が他の実施可能な先行技術を改善する動機付けとなりクレーム発明が自明であるとすることは可能である |
(差替え版:アップルのIPR戦略を追記) ・1つの米国特許の有効性を争うために当事者系レヴュー(IPR)を6件も請求する米国・韓国企業、日本企業は多くて3件の請求 |
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5月号 | ・WTO(世界貿易機関) 開発途上国がコロナワクチンの生産開発を自由にできるようにするため、大手製薬会社のワクチン関係の知的財産権(特許権等)を一時的に留保させ、技術を供与させる臨時案を検討中。国際薬品研究製造協会が留保を必要としない5段階ステップ案を発表 |
・米国特許訴訟における最近の高額の損害賠償とその理由 | |
4月号 | ・クレーム中のある構成要件が、最終製品の中の構成要件ではその特徴が失われる場合でも、その特徴のある構成要件として解釈できる記載がクレームの文言または明細書にある場合は、最終製品の中でもその特徴のある構成要件として解釈する ・第2~第4世代の移動通信を開発するために技術標準規格が設定され、同規格をカバーする技術標準必須特許(米国外特許)の特許権者及びこれらの必須特許を管理するパテント・プール機関は、同特許を公正、合理的かつ非差別的な(FRAND)条件で実施許諾しているが、自動車部品メーカーは高額過ぎて適正なFRANDではないと主張して米国連邦及び州裁判所に訴訟を提起 |