本書は、中国企業と技術ライセンス契約を締結する場合、日本・日系企業が法的リスクを回避・制限するための対策について纏めた解説書です。
高い技術力を有する我が国の産業界にとってライセンス活動は重要であり、特に中国企業への技術のライセンスは活発に行われています。
日本企業が中国企業と技術ライセンス契約を締結する場合、「中国技術輸出入管理条例」が適用されますが、同条例はライセンサーに、供与技術の完全性、無瑕疵性、有効性の保証及び契約で定める技術目標が達成できることの保証を義務付ける共に、第三者の合法的権益を侵害した場合についてもライセンサーが責任を負うと定めています。
しかもこれらは強行規定である可能性が高いため、契約当事者がライセンサーの保証義務を免除する約定を契約で定めたとしても、その約定は無効とされるリスクが高く、権利保証を全面的に回避することは極めて困難です。
同条例の定める保証義務規定は、あまりに広汎な責任をライセンサーに負わせるものであるため、日本企業は何とかして責任を限定すべく効果的な実務対応が必須となっています。
本書では、第1章において、中国の技術ライセンス契約に関する法規制に対し、日本企業はどのような点に留意すればよいのか等について解説し、第2章において、中国企業との技術ライセンス契約に関する法的リスクをどのようにすれば回避・制限できるのか等についてさまざまな方策を提示しました。
また資料として、関連法令の和訳及びライセンサーの権利保証、技術保証、改良技術等については、関連法令の規定の比較表を掲載。
本書を中国企業との技術ライセンス契約に対処する際の手引書としてご利用下さい。
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