本書は、中国商標法の第三次改正についての逐条解説書です。
商標出願・登録件数が世界第一位の商標大国となった中国において、改正商標法が2013年8月30日に成立し、2014年5月1日より施行されています。本改正に伴い商標法実施条例、関連諸規則、経過規定等も既に公布・施行されており、今回の中国商標法制度の改正は多岐にわたる全面的な改正となっています。
中国商標法は1982年に制定されて以来、今次で3回目の改正となります。本改正では、商標権保護の強化、冒認出願・抜け駆け登録への対策の強化等を目指すものであり、日本企業・日系企業としても歓迎できる点は数多くあります。しかしながら、外国のブランドが中国で第三者により冒認出願・抜け駆け登録されるようなケースに対しては、今回の改正は直接には配慮がなされていない等、問題も多いため、日本企業・日系企業は、改正中国商標制度を十分に理解し、中国商標実務に適切に対応することが益々重要となっています。
本書の特徴は、第一に、「逐条解説編」として、商標法の条文ごとに、関連する商標法実施条例、司法解釈、実務上の留意点等を整理し記述することにより、実務上の便宜に供することとしました。第二に、「参考資料編」では、「中国商標法の第三次改正の要点」、「中国商標法実施条例の第一次改正の要点」として、中国商標法及び実施条例の改正内容及び改正理由等について解説しました。第三に、「中国商標法新旧対照表」、「中国商標法実施条例新旧対照表」として、改正前後を比較した対照表を掲載しました。これらは、「逐条解説編」とは別の観点から改正について調べたいという読者の便宜に資することを目的とするものです。
本書を中国商標法に係る実務上の諸問題に対処する際の手引書としてご利用下さい。
●目 次
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◆知財管理65巻7号(2015年7月)にて紹介されました。
日本知的財産協会ホームページからもご覧になれます。
http://www.jipa.or.jp/coffeebreak/sinkan/1507.html