JMC International Trade Insurance Group


Q&A




メーカーである当社は、日本国内の商社と売買契約をしました。貨物は包括保険の対象貨物で契約金額は 2,500万円以上です。貨物は商社がドイツに輸出することになっています。当社は組合員ですので、貴組合の包括保険をかけることができるでしょうか?
A
貴社と商社の売買契約は、日本の国内契約ですので、貴社が包括保険を付保することはできません。
この場合は、商社とドイツ企業が、輸出契約等を締結していることになり、輸出の当事者である商社が(組合員であれば)包括保険を掛けることになります。
包括保険は輸出契約又は、仲介貿易契約(組込み型)の海外取引を対象としています。
オーストラリアの客先と consignment agreement を締結しました。委託販売契約は包括保険の対象となりますか。
A
輸出貨物が包括保険の対象貨物であって、その貨物に係わる契約元本の額が 2,500万円以上であれば包括保険の対象となります。
委託販売契約の取扱いについて説明致しますと、契約上で委託期間終了までに売れなかった場合、委託者が買い取る旨の条件が付されているか(買取条件付)、或いはシップバックされるか(買取条件なし)のいずれかによって取扱いが異なります。
  1. 買取条件付き委託販売契約の場合は、通常の輸出契約と同様に船積までを船積前保険、船積から決済日までを船積後保険として付保申し込みを行い、保険契約を締結する事になります。

  2. 買取条件のない委託販売契約については、船積前は通常と同様の申込みとなりますが、船積後の保険期間については、一律、販売後1ヶ月として付保することになっています。しかしながら、販売後1ヶ月以内という決済条件コードがありませんので、船積後1ヶ月として申込むものとされております。
    従い、決済条件が販売後1ヶ月以内の販売分についてのみてん補の対象となります。
    ただし、販売後1ヶ月を超える決済条件で販売する場合は、販売契約成立時に内容変更申請を行うことによりてん補されますが、予め、1ヶ月を超える期間で付保申請を行うことは可能です。
    また、貨物が積み戻しになった場合の船積後保険料については、内容変更申請の手続を行うことにより、100%返還の対象となっています。この場合、内容変更申請時の「変更事由」は、その他の変更「99」を使用します。

当社の商品を見本市に出展することになりました。包括保険の対象品目で契約金額は、4,500万円ですので保険をかけようと思いますが、船積前保険のみ付保の対象と考えてよろしいでしょうか。
A
保険をかける基準 (1)組合員である、(2)契約金額が2,500万円以上である、(3)対象貨物である、ということで基準は満たしていますが、見本市に出展なさることは売買契約ではありませんので貿易保険法第2条に定める「契約(輸出契約・技術提供契約・仲介貿易契約等)」の要件を満たしておりません。この場合は、保険の付保対象外です。
二年未満案件の申込で、誤って申請した内容を修正したいとき、申込種別 「修正」「訂正内変」「変更」のいずれで手続きするのかがよくわかりません。違いを教えて下さい。
A
独立行政法人日本貿易保険へ貿易保険の申込をした後の「誤りの修正」をする場合、保険契約の確定前と確定後のいずれの時点かにより申込種別が異なります。
保険契約の確定日とは、独立行政法人日本貿易保険が「保険契約台帳」を発行する日を言い、通常、申込月の翌月下旬になります。なお、この確定日は毎月一定ではないので、必要な時は当組合(以下、組合)にお問合せ下さい。

申込種別の使い分けについては次のとおりです。
・「修正」
確定日前迄に保険申込内容を正しくする場合
・「訂正内変」
確定日後(=設備財包括保険契約台帳作成後)に誤りが見つかり訂正する場合
・「変更」
確定日後で輸出契約等に変更が生じたことにより保険内容を変更する場合(誤りの修正には使用しません。)

手続については、確定前か確定後により次の(1)又は(2)で行って下さい。

(1)
確定前なら「修正」
貿易一般保険包括保険申込依頼書の記入により修正手続を致します。包括保険申込依頼書の送り状とともに組合に提出して下さい。
必要記入項目は、次の各項目です。1項:「種別」、2項:「申込番号」、4項:「被保険者」及び修正を必要とする項目に正しい内容を記入します
修正期間内に、照合用の設備財契約台帳等で申込内容の点検をして下さい。
この期間内であれば保険契約内容が輸出契約内容と一致するまで修正することができます。
 独立行政法人日本貿易保険への申請日は、組合への申込依頼書提出日(15時迄)の「翌営業日」になりますので期間内に間に合うよう充分ご注意下さい。

(2)
確定後なら「訂正内変」
「訂正内変」については、「契約台帳訂正願い」文書を組合理事長宛てに提出して下さい。これを受けて、組合が独立行政法人日本貿易保険へ訂正の申請手続きを致します。
訂正願い文書には、被保険者名、住所、代表者名及び印鑑のある原本一部を必要とします。また、記入すべき内容は、当該保険証券番号、保険契約締結日、訂正内容(訂正項目を新旧対比して記入する)等となります。

上記の修正等手続きの結果、保険料はそれぞれ次のとおりになります。

(1)
「修正」:修正後の内容で計算されます

(2)
「訂正内変」:修正が間に合わなかった場合には、誤りの内容で確定(保険契約)され、この確定内容に従って算出された保険料に対し、保険料の請求が行われ、支払い義務が生じます。請求のあった保険料は一旦お支払頂きます
「訂正内変」後の正しい保険料を計算の結果、過払いがでた場合の返還率は、その部分についての船積前、船積後ともに 100%が返還されます。
なお、「訂正内変」にて不足が生じたときは差額分について追徴となります。

マレーシア向けに契約金額1億3千万円の案件を1998年6月に特定2年未満で保険契約を締結致しました。代金の決済方法は 10%:前払い(T/T)、50%:各船積時 (L/C)、40%:各船積後 360日(L/C)でした。その後、決済方法は 30%:前払い(T/T)、50%:各船積時 (T/T)、20%:各船積後 360日(T/T)に変更されましたが、包括保険手続はどのように変更すればよいのでしょうか?
A
今回のご質問にある変更方法について、変更する内容としては、L/CからT/Tへの決済方法の変更と前払金が増えた変更の2つの事由があります。
先ず1つ目の事由としてL/CからT/Tへの決済方法の変更内容については、L/C決済(支払国と保証国が同じ場合)であったものがL/C決済以外に支払手段が変更になり、支払保証がなくなった訳ですので、変更事由は「同一国支払人(ILC発行・確認者)の変更」に該当します。また、同様の変更で、L/C決済の場合に同じ国の中で保証人(L/C発行又は確認銀行)が変わった場合とT/TからL/Cへ決済方法が変更になった場合が考えられますが、この場合も変更事由は「同一国支払人(ILC発行・確認者)の変更」となります。(ただし、保険契約当時、L/C未開設で保証国を特定できなかったものがL/Cが開設されたことにより確定した場合は除く)
次に、前払金が増えた変更内容については「決済条件の変更(短縮)」の変更事由に該当します。それ以外にこの変更事由に該当するものとして、決済条件が変更して保険期間が短くなった場合やユーザンスが短縮となった場合等があります。尚、予定より早く入金したという場合はこれに該当しません。
今回のように、輸出契約等変更日が同日で同一枝に関わる変更内容が複数あった場合、同時に全てを変える事はできない為、同じ変更申請日の中で変更事由毎に内容を分けて順番に変更申請を行わなければなりません。
これに従い、申込依頼書の記入の仕方を説明します。
変更事由毎に申請する順番を提示する為、履歴番号の項目に一段階目の変更は「01」とし、二段階目の変更は「02」と順に記入します。しかし、複数変更の申請時には履歴番号の項目は、同日変更申請日の中で申込順番を指示する為に使用しますので、照合用契約台帳には本来の履歴番号が表示されることになります。本来の履歴番号は、「新規」の申込データには履歴番号「00」が付与されます。その後、「変更」又は「訂正内変」を申請するごとに、その枝に連番で履歴番号が自動付与されることになっています。このように、各時点毎の契約内容は全て履歴で保存・管理されています。
「決済条件の変更(短縮)」を先に履歴「01」とし、元枝の中で船積後保険対象額を減らし、変更事由は「16」とします。次に「同一国支払人(ILC発行・確認者)の変更」を履歴「02」として元枝のFOB金額、船積後保険対象額、決済元本を0にし、新しく枝立てします。元枝については、変更箇所のみを記入し新枝については、全ての項目を記入します。新枝であっても変更の場合の処理種別は全て「2」を使用します。
変更事由と輸出契約変更日については、必須項目になっておりますので必ず記入して下さい。

* 変更前と変更後の枝番と履歴番号の関係については次の通りです。

既に保険契約を締結している件で、質問致します。
当初契約の相手方、代金支払人はシンガポールで貨物もシンガポールに輸出する事になっておりました。決済方法は10%船積前T/T、90%についてはB/L date後90日以内にT/Tで決済という契約内容でした。ところが船積をする直前になってシンガポールのバイヤーから、今回の契約をバイヤーの香港子会社経由にしたいという申し入れがありましたので、この変更について承諾致しました。従って、契約の相手方、代金支払人が香港になりますので、輸出契約におけるバイヤーの変更契約書は取り交わしました。元の契約の相手方である親会社のシンガポールのバイヤー格付は、「EA格」でしたので、香港にあるその子会社の格付も同様に「EA格付」と考えてよいのでしょうか?
また、保険契約の変更申請を行う必要があるのではないかと思っていますが、どのような手続きをしたらよいのでしょうか?
A
輸出契約の相手方が親会社のシンガポールバイヤーから子会社の香港バイヤーに変更されたとのことですが、親会社であるシンガポールのバイヤーの格付が「EA格」であったとしても、その海外子会社である香港のバイヤーも同格付とは限りません。法人格は別となります。まずバイヤー登録済であるか否かを確認して下さい。
未だ登録されていない場合には、親会社が登録済みといえども、法人格が別と考えるため、一バイヤー毎に審査基準の対象となりますので、新規に行って下さい。
その格付によるILCの有無によって信用危険のてん補の範囲は変わります。
次に輸出契約の変更の仕方によって保険契約上の手続が異なることについてご説明致します。
旧バイヤーとの契約をキャンセルして新バイヤーと新規に別の契約書を取り交わす場合と、旧バイヤーと新バイヤーと輸出者の3社間で変更契約を締結する場合があります。
前者の場合は、既に締結している保険契約はキャンセルの手続を行い、契約は新規契約ですので通常どおり申込みます。
後者の場合は、元の保険契約を変更する手続となります。
ご質問の内容変更は後者の場合と思われますので、その変更申請の手続についてご説明をします。
まず、既に保険を付保しているシンガポールのバイヤー〈元枝番00〉の輸出契約を香港バイヤーに譲渡した訳ですから「枝00」はデータをゼロにして下さい。申込依頼書に記入する箇所は、基本的には変更項目となり次の通りです。
 (1) 処理種別 …… 2(変更)
 (2) 申込番号 …… 保険証券番号。枝番「00」
 (4) 被保険者 …… 貴社のシッパーコード
 (26)輸出契約変更日 …… 輸出契約締結変更日
 (30)変更事由 …… 10(支払国(ILC発行、確認国)の変更)
 (36)船積前保険対象額…… 0.00
 (38)船積後保険対象額…… 0.00
 (43)第1回目決済元本…… 0.00
次に新バイヤーである香港バイヤーとの契約内容で新しい枝〈枝番01〉を作ります。この枝は、変更申請日から香港バイヤーとの契約内容を新枝としてたてることになります。
内容変更で新枝をたてる場合は、項目のCOPYはされません。新規同様に全ての項目に記入して下さい。
 (1) 処理種別…2(変更)
 (2) 申込番号…保険証券番号。枝番「01」
 (4) 被保険者…貴社のシッパーコード
 (5) 部門
 (6) 契約形態
 (7) 保険金受取人
 (13)輸出契約締結日
 (14)貨物コード
 (15)受渡条件
 (19)仕向国
 (20)売契約相手国
 (21)売契約相手方
 (22)最終積期日
 (24)支払国
 (25)支払人
 (26)輸出契約変更日…旧バイヤーから新バイヤーへの変更契約を締結した日
 (30)変更事由…10 支払国(ILC発行・確認国)の変更
       元枝番…「00」
 (31)通貨
 (33)輸出契約番号
 (35)リファレンス番号
 (36)船積前保険対象額
 (38)船積後保険対象額
 (40)決済方法
 (41)ユーザンス・日数指定
 (43)決済元本
 (45)起算方式
以上の手続により、正しく変更処理がなされます。
昨年7月に短期案件の保険契約を締結しましたが、その後、追加発注の申し入れがあり、結果的に3,500万円増額することで合意しました。増額分の保険契約は可能でしょうか。また、追加貨物は当初の船積期日よりも遅い期限となりますがどのように手続したらよいでしょうか。
A
本件についてはいくつかのケースが想定されます。それぞれの場合によって適用される運用が異なってきますので、ケース別に分けてご回答します。

ケース I
(1) 現行保険契約上の貨物が単体であって、その船積が終了している場合
(2) 現行保険契約上の貨物が据付を伴う複合貨物(プラント)であり、かつ、その仮検収(P/A)が終了している場合

〈増額分の保険契約について〉
この場合、現行の保険契約が対象としている輸出等契約群とは別個の、新しい輸出等契約が成立したものとみなし、当該増額を取り扱います。
したがって、増額分の対価構成(本邦品、仲介品、現調品、役務の場合)が当組合包括保険の対象となる形になっていれば、追加契約は別契約として扱い、新規に保険契約を締結することになります。
増額分の対価構成が当組合包括保険の対象となる形になっていない場合には、増額分について包括保険を付保することはできません。
なお、上記の運用は、増額後の契約金額が短期案件の国別引受基準における案件枠を超えない場合に限ります(案件枠を超えてしまう場合の手続きについては本稿末の注記※をご参照下さい)。

〈船積時期の延長について〉
本件の場合、現行貨物の船積は完了しているわけですから、「船積時期についても延長となる」のは、これから船積される増額分を現行貨物と一括して考えた場合のことです。
既に述べたように、増額分は現行貨物から切り離され、新規契約の取扱いとなりますので、現在の保険契約上の船積時期を変更する必要は生じません。

ケース U
(3) 現行保険契約上の貨物が単体であって、その船積が終了していない場合
(4) 現行保険契約上の貨物が据付を伴う複合貨物(プラント)であり、かつ、その仮検収(P/A)が終了していない場合

〈増額分の保険契約について〉
この場合の増額は、現行保険契約の対象となった輸出等契約額そのものが増額されたものとして扱われます。
したがって、当該増額分について保険を付保する場合には、現行の保険契約を増額変更する手続きをとることになります。
本件の増額変更は、増額後の契約金額が短期案件の国別引受基準における案件枠を超えない限り可能となります(案件枠を超えてしまう場合の手続きについては本稿末の注記※をご参照下さい)。
また、増額金額が2,500万円以上で、かつ、その金額が現行保険契約金額の5%以上である場合には、「重大な変更」に該当しますので、必ず変更を行わなければなりません。本件の場合、増額金額は3,500万円ですので、もし元の契約金額が7億円以下であれば、「2,500万円以上・5%以上」の要件を満たしますので、増額変更が義務づけられることになります。

〈船積時期の延長について〉
(4)は多くの場合、検収時期を仮の船積時期として保険設計しているM/S調整案件であることが考えられます。
お問い合わせの船積時期の延長が、M/S調整案件の検収時期の延長によるものである場合には、無条件に船積時期の変更を行わなければなりません。M/S調整案件であっても、お問い合わせは実際の船積予定時期の延長というこであれば、保険上の船積時期(検収時期)を変更する必要はありません。M/S調整案件でない(3)及び(4)の一部のケースが該当する、通常の船積時期の延長については、船積前の保険料計算期間を超えて延長されることにより、保険料の追加納付が必要となる場合に限って、保険契約の変更が義務づけられています。保険料の追加納付を要しない船積時期の延長であれば、変更手続は必要ありません。本件の場合、増額変更により立てられた新枝の船積時期には、延長後の船積時期を設定します。また、現行契約分の元枝については上記要件に照らし、必要であれば延長変更を行って下さい。

増額後の契約金額が短期案件の国別引受基準における案件枠を超過してしまう場合には、増額分も含めた当該輸出等契約全体について、貿易保険付保の可否を独立行政法人日本貿易保険にご照会いただかなければなりません。この場合、当局は、増額分の保険の付保(増額変更を含む)の可否だけでなく、基準外案件となった当初保険契約自体の有効性についても検討し直すことになります。

短期案件における政府開発援助契約等の取扱いについて。
A
包括保険の保険契約の制限については「貿易一般保険(短期案件)の引受基準について」(通達4貿保総第96号)に規定されておりますが、政府開発援助契約等案件であって支払方式が L/C SWITCH 方式か、借款の供与機関から輸出者への直接送金による輸出契約等案件は、引受停止国のうち完全停止国は引受されませんが、条件付引受停止国及び条件付引受国については、該当国であっても基準に関係なく、保険の引受がされますので、必ず申込をして下さい。
本取扱いに該当する案件の船積後保険料率は、支払国の国別倍率に関係なくA(0.4)倍率又はB(1.0)倍率が適用になります。
また、船積後の非常危険の付保率は、基準で定められている当該国の付保率に拘わらず、輸出契約又は輸出契約とみなされる契約は95%、仲介貿易契約とみなされる契約は90%となっています。
従って、上記の支払方式以外は、政府開発援助契約等案件の扱いとされず、通常の契約と同様に支払国(保証がある場合は保証国)の引受基準及び料率が適用となります。
なお、包括保険で政府開発援助契約等案件の適用となるのは次のとおりです。
 
*A倍率を適用する政府開発援助契約等
 (1)日本政府が行う円借款等政府開発援助
 (2)国際協力銀行に係る輸出代金貸付契約又は仲介貿易代金貸付契約
 (3)国際復興開発銀行(IBRD)借款
 (4)国際金融公社(IFC)借款
 (5)国際開発協会(IDA)借款
 (6)国際農業開発基金(IFAD)借款
 (7)アジア開発銀行(ADB)借款
 (8)欧州開発基金(EDF)借款
 (9)欧州投資銀行(EIB)借款
 (10)米州開発銀行(IDB)借款
 (11)欧州復興開発銀行(EBRD)借款
 (12)贈与、無償供与等日本政府が支払人となる輸出契約等
 
*B倍率を適用する政府開発援助契約等
 (1)フリカ開発銀行(AfDB)借款
 (2)アフリカ開発基金(AfDF)借款
 (3)カリブ開発銀行(CDB)借款
OECDガイドラインと貿易保険の関係について。
A
OECD輸出信用ガイドラインは、緩い条件のファイナンスを出す等国際取引における過度な輸出信用競争の回避を目的とするOECD(経済協力開発機構)の枠組み内の紳士協定です。日本は本ガイドラインに1964年に加盟しました。正式名称はArrangement on Guidelines for Officially Supported Export Credits(公的支持を受ける輸出信用ガイドラインに関するアレンジメント)といい、公的輸出信用制度により融資・保険・保証の恩恵を受ける輸出信用の条件を規程するものです。公的輸出信用制度とは、民間企業では負うことが困難なリスク(戦争、相手国の内乱等)を政府等がカバーすることにより民間企業の健全な国際取引を支援するものであり、我が国は貿易保険の付保と国際協力銀行の融資等が該当します。このガイドラインに規定された取引条件に合致しない案件は、原則として公的支援である貿易保険もかけられないし、国際協力銀行の融資も受けられないことになります。
ガイドラインの適用対象となるのは、償還期間が2年以上のいわゆる中長期案件です。
では、基本的な輸出信用条件につきガイドラインが規制する内容について、簡単にポイントを申し上げます。
(1)
頭金について:輸出者は、輸出契約金額の15%以上を、延払いの起算点までに受領しなければならない。
ここでいう起算点とは、例えば次のように定められています。
単体として使用可能な資本財の場合:買い手が自国内において財の物理的所有を得た実際の日又は中間日。
完成プラント又は資本設備の販売契約でコミッショニング責任を負わない場合:買い手が全設備の物理的所有を得た日。
コミッショニングに対する契約上の責任を負う場合:据付又は建設及びそれが稼動しえる状態にあることを確保するために、予備的試験を完了した日。
これらの日までに15%以上入金するということです。
(2)
対象国の分類・金利・最長償還期間について:最低金利は、契約時に金利を固定する場合はCIRR(Commercial Interest Reference Rate。我が国の場合は長期プライムレート‐0.2%)、入札時に固定する場合はCIRR+0.2%(我が国の場合は長期プライムレート)。最長償還期間は、原則的にカテゴリー?Tの国は5年、カテゴリー?Uの国は10年。
(3)
償還方法について:元本の支払は、起算点後6ヶ月以内に開始し、かつ6ヶ月に1回以上の頻度で定期的に均等返済する。金利の支払は、延払代金の起算点後6ヶ月以内に開始し、かつ以後6ヶ月に1回以上の頻度で行う。

なお、ガイドラインに適合しない案件に公的支持を行う場合には、デロゲーション(協議を伴う事前通報)やデビエーション(協議を伴わない事前通報)等の通報手続が必要であり、また、これらに対するマッチングを行った場合に限られます。
中長期の輸出契約等について貿易保険等によるサポートを希望される場合には、予め上述のようなガイドラインの条件を考慮しつつ契約の交渉に当たり、契約条件が固まってしまう前に、早めに御当局に相談して頂くのが望ましいのです。


Copyright (C) 2004 International Trade Insurance Group. All Rights Reserved.