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月例 中国経済現地報告(過去分)
2019年度
No.291(2019.08)
〜経済・産業構造調整の進捗と米国へのいら立ち〜

〔報告のポイント〕
上半期の経済成長率は前年同期比6.3%増となった。5月上旬に中米貿易協議が決裂し、双方が追加関税を引き上げたことで企業投資や消費マインドが冷え込んだ要因もあるが、習政権が断固とした姿勢で経済・産業構造調整を進めていることの要因も大きい。中国政府は今年の成長率目標を6.0〜6.5%増とするが、その目標達成に関して危機感を持っている様子はない。下半期に5.8%成長を実現できれば、6.0%成長は達成できる。また「経済・産業構造調整」とは、単なる経済的概念というより、社会経済的概念である。「持続的成長」の考え方と同じく、生態環境の保全や人間の幸福感を重視する考え方であり、中国にとっても高成長の達成は重要課題ではない。しかし、生態環境の保全や人間の幸福感は主観性を特徴とする。いずれもGDPのような数学的指標への集約化が難しく、四半期ごとの定期発表も不可能である。我々(「民主的政府」をいただく資本主義国)は、各種財の生産・貿易動向やGDP統計などに目を奪われがちとなる。これに対し、中国は「民主的政府」を持たず、社会主義市場経済を標榜するゆえに「持続的成長」や「経済・産業構造調整」に舵を切りやすい。我々は、近年の中国について「経済(指標)至上主義」から離れて評価する態度を持つべきであろう。

中国統計(主要経済指標、工業生産、投資額、貿易統計、海外からの直接投資、香港の主要経済指標等)
No.290(2019.07)
〜開放の加速を通じて中米摩擦の克服とグローバル化の潮流をいかす〜

〔報告のポイント〕
大阪でG20サミットが開催された。米-中、米-露、米-EU関係などがぎくしゃくとし、各国とも身動きが取れないなか、大きな注目を集めたのは習近平氏の「重要演説」と中米首脳会談だった。中米会談では貿易協議の再開で合意し、第4弾の追加関税措置を先送りすることを決めた。華為への制裁緩和も発表された。来年の選挙で再選を目指すトランプ大統領の胸中で米国経済にもダメージが大きい対中制裁を一定度緩和させたい、との思いが強まってきたためと見る向きが一般的である。しかし、対立の本質が覇権争いである以上、両国が軋轢のない関係に戻る可能性はほとんどないといえる。注目されるのは、こうした状況にあって、中国が対外開放を一気に加速させていることである。習氏の「重要演説」のほか、7月に大連で開かれた「2019年度夏季ダボス会議」開幕式で李克強総理は開放拡大に関する「特別なスピーチ」を行った。また、国務院国家発展改革委員会と商務部が2019年版の「外商投資参入特別管理措置」「自由貿易試験区外商投資参入特別管理措置」、および「外商投資奨励産業目録」を発表した。これらにより全産業部門を網羅する開放を一段と進め、さらなる内需拡大も見込む。現在の中米摩擦は太平洋をまたぐ補完関係を弱めつつ、中国が新たな最終需要地に躍り出る契機となるかもしれない。

中国統計(主要経済指標、工業生産、投資額、貿易統計、海外からの直接投資、香港の主要経済指標等)
No.289(2019.06)
〜中米対立と第三国企業:中国の成長持続の見通しの中でどう構えるか〜

〔報告のポイント〕
米国の「中国つぶし」は激化する一方だが、影響は世界経済や第三国企業にも及び始めている。米国は米政府の許可なく米企業から部品などを購入することを禁止する「エンティティー・リスト」に、華為と関連68社を追加した。これに対し、中国政府は「信頼できないエンティティー・リスト」を構築すると発表した。リストに掲載されれば、米国企業のほか日本企業なども法律や行政措置に基づく「強硬な処罰」対象となる。同リストにおいて「レッドライン」となるのは、4つの基準に抵触した場合という。「外国政府の扇動」により、中国企業に対し、@封じ込めの行為、A市場ルールや契約精神に反する行為、B中国企業に実質的な損害をもたらす行為、C中国の国家安全を脅かす行為を行った場合である。中国国家発展改革委員会は、海外大手IT企業の幹部らを招集したと伝えられた。中国当局が国内外の企業を召集し、当局の見解を伝えることは珍しくなく、今回の会議も「融和的な雰囲気」で進行し、企業への警告という性格のものではなかったという。ただ、米政府の禁輸措置を順守し、技術輸出を打ち切った場合、業界全体にとり「複雑な状況」や「深刻な結果」に直面するだろうと伝えられたと報じられている。「状況を完全に把握する前に、十分考慮せずに早まった行動を取ることを控える」よう求められたとも伝えられている。

中国統計(主要経済指標、工業生産、投資額、貿易統計、海外からの直接投資、香港の主要経済指標等)
No.288(2019.05)
〜中米摩擦の中で経済成長の“質”の改善をさらに進める〜

〔報告のポイント〕
中国の2018年の実質経済成長率は前年比6.6%で28年ぶりの低水準となった。2019年通年の政府目標は6.0〜 6.5%だが、達成は難しくない。2020年の「所得」(GDP)を2011年比で倍増する目標は、2018年までの実績から計算して、今年と翌年の成長率が6.1〜6.2%あれば達成できる。政府目標を6.0〜6.5%と幅のあるものを提示したのは、中米対立の影響が読み切れないからと考えられるが、経済成長率は今日、中国国内ではほとんど問題視されていないともいえる。6.1〜6.2%成長の達成が容易であることに加え、21世紀初頭の胡錦涛政権が経済発展の目標を「量」から「質」に転換したり、内需拡大や経済サービス化など構造改革に重点を移しているからである。また、習近平政権は、2018年に「改革開放40年の目標を達成した」との認識を持っている。この意味において、「中米対立の中国経済への影響」といった議論そのものが意味を成さないともいえる。中国政府が気にかけているのは、米国との「G2世界分割統治」の実現、つまり「対抗」ではなく、米国との「共存」を阻む米国の「中国脅威論」や「反中」「嫌中」意識の高揚と考えられる。この意味で中国政府は今後、米国との交渉が物別れに終わったとしても強い米国批判はせず、対米関係改善の方途を探るとみられる。WTO改革やRCEPのような地域経済統合構想についても「経済成長率への影響」という観点ではなく、「米国との共存」「G2世界分割統治」という政治的意義の点から関与すると考えられる。

中国統計(主要経済指標、工業生産、投資額、貿易統計、海外からの直接投資、香港の主要経済指標等)
No.287(2019.04)
〜「先進国化」への挑戦:“小康後”の世界〜

〔報告のポイント〕
習近平政権下で明確化してきたのは、「小康」(基本的な生活に困らず、ややゆとりのある生活水準)達成後の新たな国家目標を何にするか、それをどのように進めるかである。中国のGDPは世界第2位だが、人口一人平均GDPでは世界第74位である(2017年時点。以下同じ)。両社のギャップ(74マイナス2=72)は世界最大。中国の「先進国化」を、人口一人平均GDPを世界の上位30位以内(日本は第25位)程度に増やすこととしても、その実現はきわめて難しい。中国の「先進国化」は、様々な内部・外部条件の中で追求しなければならない。中国の「先進国化」の将来像として、習氏は「中国の夢」や「中華民族の偉大な復興」を掲げる。これに対し、米国は自らへの挑戦と捉える。しかし、われわれは「中国の夢」や「中華民族の偉大な復興」について、現在の先進国をモデルとして経済大国化や軍事大国化を進め、ついには米国を凌駕して様々な世界ランキングでトップに立つこと、と単純に解釈すべきではないだろう。

中国統計(主要経済指標、工業生産、投資額、貿易統計、海外からの直接投資、香港の主要経済指標等)

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