◆サプライチェーン・セキュリティ対策
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米国海上貨物事前申告:B/L上の「荷主」の定義について
2004/05/19

さる2月、米国国土安全保障省国境税関保護局CBPは、事前申告データエレメントの荷主(Sipper)の定義について、2002年通商法事前申告ルールで規定されている定義の適用を一時延期すると発表しておりましたが、このほどCBPは旧来の定義を引き続き適用し、外国の製造者・サプライヤーに係る詳細な情報を米国到着前に申告させるためのボランタリープログラムを実施するとの決定をしたと、13日付けJournal of Commerce(電子版)、14日付けAmerican Shipper(電子版)が報じていました。
なお、今回の決定およびボランタリープログラムは今後2~3ヶ月以内に官報Federal Registerで通知される見通しとのこと。

2002年通商法事前申告ルールでは、申告すべきデータエレメントの「荷主」についてB/L上の荷主を申告するとしながらも、 そこで荷主として定義されるのは「外国のベンダー、サプライヤー、製造者、あるいは他の同様の団体(party)」であって、 キャリア、NVOCC、フレイト・フォワーダーあるいはコンソリデーター等は荷主として受け入れられないとされた。
現在の運送関係法規で定義される荷主とは、キャリアに貨物の運送を委託した運送契約当事者であることから、NVOCC、フレイト・フォワーダーあるいはコンソリデーターが荷主の定義から排除されれば、種々の法律的問題を引き起こすことになる。このため、米国の4団体(World Shipping Council、National Industrial Transportation League、National Customs Brokers and Forwarders Association of America、Retail Industry Leaders Association)は、当該部分に関して2002通商法事前申告ルールの実施を停止するようCBPに対して意見書(Petition)を提出し、CBPは暫定的に旧来の荷主の定義に基いて事前申告の運用を行なっていた。今般のCBPの決定は、上記4団体の要求に添うものである。
ターゲティングシステムを通じて米国到着前に貨物のリスク評価ができるよう貨物情報(マニフェスト)の米国到着前申告を規定したものが、24時間ルールに始まる米国の事前申告ルールである。しかしながらCBPは、貨物の詳細な情報のみならず海外製造者・サプライヤー等の情報をもマニフェスト事前申告情報から得ようとしたことに今回の混乱の原因がある。
今回の決定によってCBPは事前申告されたマニフェスト情報から海外製造者・サプライヤーに関する詳細な情報を入手することができなくなったことから、輸入者・通関業者が輸入通関申告(引取申告)情報を貨物到着の少なくとも24時間前にCBPに申告するボランタリー・プログラムを実施するという。
米国の輸入通関申告(引取申告)手続では、原則として米国到着前(海上貨物では到着の5日前から、航空貨物では離陸後直ちに)から申告できるが、他方貨物到着後では5日以内に申告しなければならないことになっている。CBPの上記ボランタリープログラムとは、この輸入通関申告(引取申告)を、貨物到着後5日以内ではなく、 できる限り貨物到着の24時間前までにさせようと意図するものである。
注1:24時間ルール及び2002年通商法事前申告ルールで義務付けているのは、マニフェスト情報の事前申告であって輸入通関申告そのものではない。
注2:米国の輸入通関申告(引取申告)で提出すべき書類は、下記の通りであるが、特にインボイスで海外製造者・サプライヤーに関する情報が把握できる。
 ・B/L等の輸送証券
 ・インボイス
 ・パッキングリスト(必要とされる場合)
 ・その他.
そもそも、米国内では、セキュリティ目的での情報収集ツールとして貨物マニフェスト情報は適切ではないとの議論があった。昨年3月に開催されたCOAC会議(米国税関、民間企業で構成される税関行政に関する委員会)では、自動輸出申告システムAES(Automated Export System)にならって輸入者が直接的に税関へ必要情報を提出するオプションを検討するよう勧告していた。
米国の自動輸出申告システムAESは、貨物モジュール(Commodity Module)と輸送モジュール(Transportation Module)から構成されている。輸出者・通関業者は貨物モジュールによって製造所情報、ベンダー情報等を申告でき、キャリアは当該貨物に係る輸送情報を追加的に申告できる。仮にこのようなシステムのモジュール構成が輸入申告においても検討されるならば、現在構築中の次世代通関システムACE(Automated Commercial Environment)の開発にも影響を与えると考えられる。

本件に関する参考情報:本ホームページ2月27日付け
http://www.jmcti.org/C-TPAT/vol.1/2004/C-TPAT_CSI_1-74.htm

以上


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