◆サプライチェーン・セキュリティ対策
  米国関税局の新たなセキュリティスキーム(C-TPATとCSIについて)
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CSI(Container Security Initiative)の動向、香港と欧州
2002/07/17

1.欧州の下記3港湾がCSI参加を表明
  • 6月25日:オランダ ロッテルダム港
  • 6月26日:ベルギー アントワープ港
  • 6月28日:フランス ルアーブル港

  • * まもなく参加予定:
    イギリス フェリックスストウ港(Felixstowe)
    既に参加を表明している外国港湾は以下の通り。
  • カナダ:ハリファックス港、モントリオール港、バンクーバー港
  • シンガポール:シンガポール港

*上記各港湾では、パイロットプログラムとしてCSIプログラムを実施

2.香港の動向
香港は現在も米国と協議中であり、結論には至っていない。その背景についてNews Net Asia、Journal of Commerceがそれぞれ以下のとおり報告している。

(1)6月11日付News Net Asia
香港の輸出業者は、セキュリティチェック強化について基本的には歓迎しているものの、輸出手続が大幅に遅れるようなことになると深セン側への顧客流出を加速させかねないと懸念している。深センの塩田、蛇口、赤湾の3港の貨物取扱高が急伸する一方、香港の葵涌のターミナルでは減少している。

(2)7月11日付Journal of Commerce
香港関税当局は、すでにいくつかの業界団体とCSI実施に関する実行可能性について、勉強会という名目で予備的に協議している。すなわち、船舶の出航前に積荷情報を提供することが業界にとって実行可能(feasible)かどうかを勉強するというものである。
香港では、船会社は、出航後7日以内に積荷目録を提出すればよいことになっている。このため、マニフェスト作成に必要とする貨物情報提出をブローカーあるいは荷主に依頼するのは、通常、船の出港後である。
香港政庁当局は、CSIパイロットプログラム実施によるインパクト、実行可能性、どのようなオペレーション内容が可能かを調査しているところであり、6月には調査団を派遣し、米国ニューアーク、カナダのモントリオールとバンクーバーを視察した。
CSIの実施、及び積荷情報の出航前提出は、船会社、ブローカー、荷主のオペレーションに長期的には悪影響を及ぼすことになるだろうと、また、積荷情報を出航前に提出するためには、企業は情報システムをアップグレードする必要に迫られるかもしれないと、Henry Tang商務・産業・技術長官(Secretary of Commerce, Industry and Technology)は語った。出航前の積荷情報提出がなければ、米国港で検査を受けることになり、それは荷受人への配送の遅れとなる可能性がある。

3.欧州の動向(7月12日付 Journal of Commerce)
CSI参加により、欧州各港湾は、米国向けコンテナを蔵置するスペースを新たに見つけなければならなくなっているとのこと。
米国関税局は、船舶が出航する24時間前までに積荷情報を提出するよう求めていることから、船社によれば、出航の3日前までにコンテナはターミナルに搬入されなければならないという。これは、米国向けコンテナの出航前検査を受けるためである。従来は、しばしば出航の数時間前にターミナルに持ち込まれていたが、これによりコンテナヤードのスペースを節約できていた。
アントワープ港に駐在する米国代表のEdouard F. Dekkers氏は、港湾エリアの外側にコンテナターミナルを設置しなければならない可能性も考慮していると語っている。

以上


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