メキシコにおける貿易・投資上の問題点と要望

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本表の見方
 
26. その他
経由団体※
問題点
問題点の内容、国際経済法上・二国間協定上の解釈
要望
準拠法、規則、運用
日機輸
(1) 交通・物流インフラの未整備 ・メキシコの鉄道輸送サービスはFMX(フェロメックス)・KCSM(カンザスシティー)の2社寡占。その寡占状態による物流品質の低さと、低速度運行・断続的な停止時に発生する盗難被害の多発が問題である。 ・FMX/KSCM両社寡占状態の改善・監視、並びに盗難(治安)対策。盗難対策は、特にバヒオ地区⇒Veracruz・Lazaro Cardenas・米国との国境。
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日機輸
(2) 港湾の混雑 ・マンザニージョ港は取引量も多く、ピークシーズン時は荷降ろしもままならない。
・自動車産業の輸出を支える港湾として、メキシコ湾側のベラクルス港があるが(輸出車両の6割が同港から輸出)、メキシコにおける完成車生産量が増加する中、同港の輸出入車両用保管ターミナル・自動車専用船が寄港する岸壁キャパシティの不足が懸念されている。
・港湾設備の拡張を進めるなどして、混雑を緩和して欲しい。
・同港の新港開発中、並びに運用開始後両方における、十分な完成車保管ターミナル・専用船寄港岸壁インフラキャパシティの提供。
    (参考)
・マンサニージョ港湾管理公社はコンテナターミル拡張と新港建設を計画。現在の港北側を拡張した新コンテナターミル(TEC2)は、第1フェーズとして、2013年8月に営業を開始、フェーズ2は2017年までに完成する計画、フェーズ3は2020年とし、最終的には年間150万TEUまで処理可能となる見通し。
しかし、現存のターミナルと合わせても港全体では年間350万TEUにとどまり、10年後の2020年前半には再び飽和状態となるため、同公社としては、新港の建設も視野に入れている。
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日機輸
(3) 治安の悪化 ・輸出コンテナの鉄道輸送盗難は、警察・軍の監視強化により2017年は激減したが、輸出入コンテナ・国内配送トラックの強盗事件は全国的に増加傾向にあり、輸送セキュリティ強化の為のコスト負担が増加している。
・グアナフアト州は比較的治安は良いと言われていたが、日系人強盗殺人事件、白昼の銃撃事件等、徐々に治安悪化の兆候も見られる。自分の身は自分で守る努力も当然しているが、治安当局にもより一層の警備強化、検挙率向上に努めてもらいたい。
・鉄道輸送警備の継続と、幹線道路高リスク区間の連邦・州・市警察による監視の強化。
・警備強化、検挙率向上。
    (対応)
・フォックス政権は、各州と地方自治体の公安に関する努力を統合、結集するため、公安省(Department of Public Safety)を創設した。また、連邦司法警察の新たな拠点として、連邦調査機関(Federal Investigation Agency)を創設する計画を発表した。また、15の優先安全地域を指定して警官隊を増設した。さらに、汚職撲滅のための国家プログラムを実施した。
・2007年5月、日墨EPAに基づくビジネス環境整備委員会において、日本側からメキシコに対して治安の改善提案が継続して提起されている。
・2006年に発足したカルデロン政権は治安対策に力を入れ、国内の麻薬組織の拠点である都市を中心に、治安部隊による麻薬組織制圧に着手し、取締りを強化しているが、これらの地域では、麻薬組織側が取締りへの報復として多数の治安関係者を殺害し、また麻薬組織間の抗争もあり、市民生活に大きな影響が出ている。また、北部周辺都市でも、日本人の被害についても確認されている。
・2008年9月からの日墨EPA再協議により、双方の市場アクセスを拡大することなどについて2011年2月に実質合意に達し。これを踏まえた改正議定書が2012年4月に発効。
・2012年7月の大統領選挙では、制度的革命党(PRI)のペニャ・ニエト候補(前メキシコ州知事)が勝利し、PRIが12年振りに政権奪還。
ペニャ・ニエト政権は、政策の5本柱として、(1)平和な国家の達成、(2)包摂国家の達成、(3)全国民が質の高い教育を享受する国家の達成、(4)繁栄する国家の達成、(5)地球規模の責任ある役割を果たす国家の達成を掲げ、その就任直後から、エネルギー改革、財政改革、通信改革、教育改革、政治・選挙制度改革及び労働改革に着手し、各種憲法改正や関連法案等を成立させ、着実に構造改革を進展させている。
・2018年7月1日、メキシコ大統領選で新興左派のロペスオブラドール氏が圧勝、2018年12月1日に大統領に就任する(任期は2024年9月末までの5年10カ月)。
    (改善)
・メキシコ市国際空港での治安対策の強化が図られている。
日機輸

(4) 道路輸送の高コスト、輸送・安全品質の低さ ・メキシコの内陸輸送は、米国の1.3倍と言われる国内輸送コストの高止まりと、一方で低い輸送品質・安全品質が指摘される。 ・道路輸送サービスの改善。
・前者については外資規制の緩和による改善。
・後者についてはドライバーへの労働基準管理、速度や過積載への取締り管理強化が求められる。
・外資規制:道路・橋梁・自動車交通法(Ley de Caminos, Puentes y Autotransporte Federal)第6,8,9,11条
 

※経由団体:各個社の意見がどの団体を経由して提出されたかを表したものであり、表示団体を代表する「主張」「総意」等を意味するものではありません。
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