中国における貿易・投資上の問題点と要望

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本表の見方
 
17. 知的財産制度運用
経由団体※
問題点
問題点の内容、国際経済法上・二国間協定上の解釈
要望
準拠法、規則、運用
JEITA
時計協
日機輸
(1) 知的財産権侵害に対する罰則の不十分 ・商標権侵害行為に対する行政機関による処罰が甘すぎる為、侵害行為が繰り返されているのが実情である。
1) 罰金額が極めて低い。取締り行政機関、案件により従来に比べて高い罰金額が科されるなど改善の兆しも見えるが、少額の罰金しか科されない場合も少なくない。
また、タッグ、取扱説明書、外箱等の付属品の罰金額の算定が極めて低い。
2) 罰金の納付が行われない場合、侵害者は実質的に逃げ得状態になっている。取締り行政機関より出頭命令が出ても罰金の納付に現れない侵害者に対して、督促状の送付、それでも出頭しない場合ビジネスライセンスの剥奪等の処分が下されるようだが、場所、会社名を変え、法定代表人を他人名義にすれば、実質処分を逃れビジネスを再開することが可能。

・業者の摘発を行っているが、罰則が弱すぎて効果が限定的である。
・1)〆独箸起きないよう厳しい罰則の適用を要望する。過去に行政処罰を受けている者に対しては、不法経営金額が5万元以下でも刑事罰の適用を要望する。
∈独箸鮃圓辰真害者に対しては、営業許可証の没収を要望する。再犯者は自動的にPSB案件へ移送を要望する。
タッグ、取扱説明書、外箱等の付属品に対しては被模倣品(真正品)の販売価格に基づいた罰金額の算定を要望する。
す埓摘発を行った後、取り締まり機関が刑事案件への自主移送を積極的に推進して頂くことを要望する。
2) 未出頭者に対しては刑事案件に切替えるなど罰則強化を要望する。

・知的財産権侵害行為に対する罰則を強化していただきたい。
・商標法第六十三条
・反不正等競争法第5条
・中国専利法
・商標法
・意匠法
・特許法
・業者登録制度(あれば)

    (対応)
・2004年12月21日、最高裁判所と最高検察所の連名で「知的財産権侵害関連の刑事案件処理の具体的法律適用に関する若干問題の解釈」規定を公布し、知的財産権侵害罪の適用要件の緩和を行った。
・2007年4月、「最高人民法院、最高人民検察院による知的財産権侵害における刑事事件の処理についての具体的な法律適用に関する若干問題の解釈(2)」により、商標の不正使用及び著作物の違法な複製も含む知的財産権に関し、訴追基準(閾値)における法人・個人の差の撤廃により、法人に関する閾値が実質的に従来の3分の1に引き下げられた。
・中国刑法第217条に規定された「著作物侵害罪」に関する訴追基準(閾値)のうち、複製点数基準を1000から500に引下げた。
・2007年4月、米国は、効果的かつ抑止力のある救済措置を定めたTRIPS協定第41条や、商業的規模の商標の不正使用及び著作物の違法な複製についての刑事罰の適用を定めたTRIPS協定第61条等との整合性を巡って、WTO協定に基づく協議要請を行い、同年9月にはパネルが設置され、日本も第三国として参加している。
・2009年1月26日、WTOパネルは、中国の知的財産権法に対する米国の申立て(DS362)において、肯定否定両面のある裁定を下した。米国は、一部の著作権法、関税法、刑法が知的所有権の貿易関連の側面に関するWTO協定(TRIPS協定)に基づく中国の義務を満たしていないと主張した。パネルは、中国法が内容次第では著作権を認めないことや違法な商標を除去することで当該品の市場への流入を認める条項を違反とした米国の主張を支持した。しかしながら、パネルは、模倣行為及び海賊行為に対する中国の刑事起訴基準に対する申立てなど、その他の米国の主張は斥けた。
・2017年5月31日、国務院弁公庁は、「2017年全国知的財産権侵害及び模倣偽造商品製造販売の摘発業務要点」(以下「2017年業務要点」という)の通知を発布した。(http://www.gov.cn/zhengce/content/2017-05/31/content_5198504.htm
【刑事摘発及び司法保護の強化】:
権利侵害・冒認の重点分野における民事、刑事、行政事件の審判業務を法により強化し、指導監督を強化し、司法解釈及び司法政策的文書を適宜に発布する。知的財産権の民事、刑事、行政事件審判の「三合一」(法院の知的財産権廷が統一的に知的財産権の民事、刑事、行政事件を審理すること)改革を推進し、地域を跨いだ知的財産権廷の構築を推進する。
・2017年8月14日、米国トランプ大統領は、通商法301条に基づき中国による知的財産権侵害の実態調査をUSTRに指示。同年8月19日、USTRは調査を開始。
・2017年8月18日、USTRは、対中301条調査を開始;技術移転や知的財産及びイノベーション(創新)に関する中国の法律・政策・慣行が「不合理もしくは差別的であって、米国の通商に負担や制限を課しているかどうか」を判断へ;301条委員会は2017年10月10日に公聴会を開催予定、意見公募を実施(提出期限:2017年9月28日)。
・2018年3月22日、トランプ米大統領は、「技術移転や知的財産及びイノベーション(創新)に関する中国の法律・政策・慣行・行為をめぐる1974年通商法301条調査に係る米国による各措置に関する大統領覚書」に署名。USTRの対中301条調査結果に基づき、中国原産品及び中国の対米投資に対し特定の措置(関税引き上げ・投資制限・ライセンス慣行に対するWTO提訴等)を講じるよう米政府機関に指示。
・2018年6月15日、USTR、1974年通商法第301条に基づく対中制裁関税対象品目の最終リスト(818品目・340億ドル相当、7月6日適用開始)及び追加リスト案(284品目・160億ドル相当)を公表した。中国も直ちに対米対抗措置を表明。中国商務部、米国産品659品目(総額500億ドル相当)につき追加関税25%を賦課する構え。米中いずれも第1弾として2018年7月6日に340億ドル分の制裁関税を発動へ。
    (改善)
・2008年12月27日、全人代常務委員会は改正特許法を公布し、10月1日に実施する。改正法では、特許侵害行為に対する罰金を違法所得の現行3倍を4倍に引き上げ、また違法所得がない場合、現行5万元から20万元に引き上げた。
・2018年7月6日、USTRは、1974年通商法第301条に基づく対中制裁関税(2018年7月6日発動済み)の製品別適用除外プロセスを確立した。米国内の利害関係者による製品別除外申請を2018年10月9日まで受け付け中。
日機輸
(2) 特許分割出願の困難 ・親出願が係属していないと、その分割出願(子出願)が係属していても、更なる分割出願(孫出願)ができない。 ・親出願の係属の有無にかかわらず、分割出願できるようにしてほしい(所謂、係属している子出願からの孫出願を認めてほしい)。 ・審査指南第一部第一章5.1.1
日機輸
(3) 特許クレーム補正の文言の限定 ・クレームを補正する場合、明細書の文言そのままの表現しか認められない。
また、OA応答時にクレームを追加する補正が認められない。

・PPH申請時に補正が認められないと、PPH制度の目的が果たせない。
例えば、第1庁(先行庁)で、クレームを補正した結果、特許可能と判断され、この審査に基づいて、中国(後続庁)においてPPH申請を行う場合、PPH申請の際に補正ができないと、補正前のクレームで審査されることになり、早期の登録が見込めない。
・他国と同様、明細書及び図面に開示された内容からクレーム補正の判断をして欲しい。
・OA応答時にもクレームを追加する補正を認めて欲しい。

・PPH申請時に補正の機会を与えてほしい。
・特許法第33条
・審査指南第二部分第八章5.2補正5.2.1補正の要求
・実施細則第51条第3項
・実施細則第51条
時計協
(4) 実用新案権の無効化の困難 ・実用新案権の無効化の困難性:
―外国における既製品(又はパンフレット等に開示済みの製品)の構造をそのまま実用新案として出願し、権利化するケースが目立っている。実用新案は無審査で登録になるので、例えば特許のように、特許庁への情報提供によって権利化を阻止するようなことは不可能である。
一旦権利化された実用新案権を無効化したい場合、中国では提出できる無効資料の数に制限があり(1つor2つ)、無効化することが難しい。さらに、諸外国の製品カタログ等は無効資料として認めてもらうには煩雑な手続きが必要であり、実質的に、製品カタログ等に基づいて権利化された実用新案権に対して、第三者は打つ手がないといった状況になる。その結果、実用新案権に基づいた権利濫用の虞がある。
・\宿淵タログ等に関して、各社で煩雑な手続きをとることなく、無効資料としての証拠能力を担保できるシステムを構築して欲しい。
・中国では、実用新案権に基づいて権利行使する場合、日本のように技術評価書の提示(日本の実用新案法第29条の2)が義務付けられていない。無効になる蓋然性の高い実用新案権によって権利行使がされないよう、中国においても技術評価書による事前警告を制度として導入して欲しい。
・審査運用
・審査指南第4部第6章4
・専利法第40条
・実施細則第44条第1項第2号

日機輸
(5) 実用新案の評価報告書の取扱の不適当 ・実用新案の評価報告書がなくとも訴訟を提起できる。また、評価報告書の請求者は、特許権者及び利害関係者(権利継承者、専用実施権者、権利者から特別に認められた通常実施権者)に限られ、被告を含む第三者は請求できない。 ・訴訟を提起する際には、評価報告書の請求を義務づけて欲しい。少なくとも、被告を含む第三者も請求できるようにして欲しい。 ・特許法第61条第2項
・実施細則第56条、同57条
・審査指南第五部分第十章2.2請求人の資格
時計協
(6) 実用新案権の審査の不備 ・実用新案の審査について、実用新案出願は方式審査を経て拒絶すべき理由がない場合、権利付与されることになる(専利法第40条)。条文上、実用新案出願に対しては実体審査が行われず、方式審査を経て登録されるが、実務においては、欠陥のある実用新案権が多いとされる問題を少しでも改善しようと、強化方式審査が行われている(実施細則第44条第1項第2号)。
しかし、実用新案の強化方式審査は、新規性、進歩性、実用性の実体審査が行われないものであり、無効審判を提起することにより復審委員会にて実態審査が行われる体系となっている。
・実体審査の実施、もしくは権利行使にあたっては評価書取得の義務化。 ・審査指南第4部第6章4
・専利法第40条
・実施細則第44条第1項第2号

時計協
(7) 模倣品の取締不足 ・模倣品の輸出差止件数は減少傾向にあるが、未だ海外の市場において中国製の模倣品が多数発見されており、取り締まりは不十分である。
・1)権利者に対して侵害事実/侵害者の処罰/侵害品の処分についての情報開示が十分でない。
2)広州駅西口時計市場の模倣品の販売方法が巧妙化している。店頭での対面販売から、摘発の対象になりにくい2階のクローズされたショールームで見込み客に対してのみ対応を行っている。
3)多くの模倣品がインターネット(商取引プラットフォーム、独立サイト)で販売されている。
4)実際の摘発において、偽物業者は居住区に倉庫・組立工場等をおき、現状では公安以外のAIC/TSB等の行政機関は踏み込めない。
5)一度摘発されても侵害行為を止めず、侵害が繰り返されているが(再犯)、取り締まり機関が再犯者をどの様に把握しているか不明である。
・中国税関での水際取締り:
権利侵害疑義貨物の発見について、模倣品の輸出差止件数は減少傾向にあるが、未だ海外の市場において中国製の模倣品が多数発見されており、取り締まりは不十分である。
・検査方法の見直し、検査率を更に上げるなどして、より多く模倣品が差し止められるよう、取り締まりの一層強化を要望する。
・1) /害内容(差押リスト)
違反者への処罰(処罰決定書/証明書)
侵害品の処理(廃棄)の確認(廃棄証明書)。これらの書類を常に権利者に提供することを要望する。
2) 2階のクローズされたショールームの取締り強化。
当局によるインターネット上の取締りの強化を要望する。
3) 商取引プラットフォームの提供者に対して、規制・取締りの強化、権利侵害品の削除プログラムの改善を要望する。
4) AIC/TSBの行政機関が、居住区でも摘発ができるようになることを要望する。
5) 身分証明書のID番号を登録し、全ての取り締まり機関が前歴を確認できるシステムを作り、再犯者を厳重に管理する事を要望する。
・検査方法の見直し、検査率を更に上げるなどして、より多く模倣品が差し止められるよう、取り締まりの一層強化を要望する。
・知的財産権海関保護条例(条例)および条例実施弁法(弁法)
・商標法第六十三条
・商標法実施条例第六十条
・反不正等競争法第5条
    (対応)
・2010年3月10日、政府は2010年10月から11年3月まで実施していた「知的財産権侵害および模倣品・粗悪品の製造・販売を摘発する特別プロジェクト活動」を、さらに6月まで延長することを決定した。
JEITA
JTA
時計協
製薬協
日機輸
(8) 模倣品の横行・国際的拡散 ・偽造医薬品は、単に知的財産権(特許権、商標権)の侵害である以上に、患者に深刻な健康被害をもたらす場合も多いため、偽造医薬品を患者の手に届くことがないよう取り締まることが重要である。中国、インド等で製造された偽造医薬品が、自国内で流通するだけでなく広く他国にも輸出されている。
・弊社製品(電子部品)の模倣品がインターネットや、非正規の流通チャンネルにおいて発生している。
弊社商標を無断使用する製品ラベルが弊社類似品に貼付され、模倣品として市場に流通している。
店舗に在庫を極力保有せず、かつ、商品受け渡しの直前まで製品ラベルを貼付しない巧妙な手口が増えている。
・偽造品/模造品の販売が横行し、知的財産権が侵害されている。
・多くの模倣品がインターネット(商取引プラットフォーム、独立サイト)で販売されている。
・中国で日本製部品を購入しようとしても、正規品かどうかの判断が難しい。(模造品が通常に流通している)
・ブランド知名度が上がるに伴い、コピー品の流通が増加している。ロゴ書体を変更したのみの近似品のみならず、判別が困難な精巧なコピー品まで存在する。発見した際は直接、供給業者に警告しているが、ほとんどのケースで流通解明に至っていない。
・偽造医薬品の製造販売、輸出の取締りを強化して頂きたい。
・偽造ラベル作成業者、少在庫の業者であっても厳しい罰則が与えられるよう、行政当局による模倣品取り締まりの強化をしてほしい。
・インターネット商取引のプラットフォーム提供業者に対して、商標権者、消費者の権利、権益の保護のため、規制・取り締まりを強化してほしい。
・各国輸出/入時の管理強化。
・当局によるインターネット上の取締りの強化を要望する。
・商取引プラットフォームの提供者に対して、規制・取締りの強化、権利侵害品の削除プログラムの改善を要望する。
・市場での模造品の駆逐。
・商標権保護の法整備厳格化。
・公的機関による迅速な対応。
・中国商標法52条1号、5号
・特許法
・商標法、等
・インターネット取引管理弁法
    (対応)
・模倣品・海賊版の横行等の知的財産権侵害品に対する中国におけるエンフォースメント強化の必要性については、TRIPS理事会・中国TRMの場で日本、米国、EUから指摘がなされており、我が国は、日中経済パートナーシップ協議等の二国間協議において度々改善を要請している。
・2007年5月23日、米中戦略経済対話において、米中両国は、模倣品・海賊版の取り締まりに関する情報交換を行うことで合意した。
・2008年4月25日、米国は2008年版「スペシャル301条報告書」を発表し、引き続き中国を模倣品製造国として批判し、「優先監視国」に指定している。
・2009年11月19、20日、日中両国政府は、知財法制日中協議第1回会合を開き、日本側からインターネットを使った販売で模倣品をサイトから削除するよう求めた。また、中国で没収した模倣品が再び流通するのを防いだり、地方での厳正な監視、処分を求めた。
・2009年OECD調査は、国内に流通する被害とインターネット上の被害を除く模倣品・海賊版の貿易被害額が、年約2,500億ドル(約25兆円)に上ると試算している。(OECD調査「模倣品・海賊版による経済的影響(第2期)」
・2014年、日本企業が中国発の模倣品による被害状況を中国発模倣品比率でみると、世界各国・地域でその比率は北米53.1%、西欧52.8%、ロシア55.0%、中東55.4%、アフリカ33.5%、中南米49.8%など50%前後に上っている。(特許庁「2014年度模倣被害調査報告書」)
・2014年の日本税関による知的財産侵害物品の輸入差止件数は32,060件に上り、その92.2%が中国(香港を除く)から輸出されたものであった。輸出拠点は香港・広東や上海などの国際港湾都市が中心であるが、近年は水際での取締りを避けて陸路を利用してロシアや中央アジアに流出するルートを介した被害が増加する傾向にある。(「2014年度模倣被害調査報告書」)
・2017年5月31日、国務院弁公庁は、「2017年全国知的財産権侵害及び模倣偽造商品製造販売の摘発業務要点」(以下「2017年業務要点」という)の通知を発布した。
http://www.gov.cn/zhengce/content/2017-05/31/content_5198504.htm
時計協
(9) 製品形状模倣品に対する法的防止策の不足 ・中国において意匠権が存在しないあるいは登録されるまでの間での製品形状模倣品対応は、不正競争防止法に頼らざるを得ないが、中国の不正競争防止法では、依然、商品の知名性が必須要件であり、新しい商品の形状模倣に対しては実効性がない。 ・中国の不正競争防止法における適用要件の追加を要望する。具体的には日本の不正競争防止法第2条第1項第3号(デッドコピ−条項)と同様な条項を盛り込むことを要望する。 ・反不正当競争法第5条2号
    (対応)
・2017年11月4日、全国人民代表大会常務委員会は、改正「不正競争防止法」(中国語では「反不正当競争法」)を公布した(1993年9月に公布された「不正競争防止法」に対する初めての改正、2018年1月1日から施行)。
http://news.xinhuanet.com/2017-11/04/c_1121906586.htm
時計協
(10) 意匠権取得に係る制度の不備・不足 ・意匠権取得に係わる問題点として、以下があげられる。
1)意匠出願における実体審査の導入
意匠出願に対する審査手続き上、実体審査がなく形式審査のみで、実質的に書類が形式上整っていれば新規性が認められない出願も登録されてしまう。「専利法改正により、10件までの類似意匠を1出願にまとめられるようになったが実態審査が無い為権利的に不安定であり制度活用が出来ない。
2)意匠権の権利期間
中国の意匠権の権利期間は、出願日から10年となっている。因みに、日本においては、意匠法改正により設定登録から15年から20年に変更になり、欧州25年、米国14年、韓国15年である。中国の権利期間は短く、定番商品の保護に十分でない。
3)部分意匠制度の導入
独創的である部分が模倣されても、物品全体としての意匠権しか取得できない為、意匠権が及ばず、有効な手立てが取れない。
4)新規性喪失例外規定適用拡大の導入
新規性喪失例外規定は存在するものの、その適用範囲は、政府主催または公認の展示会などで初めて開示された場合等に限定され、実際には適用の可能性が極めて低いのが現状である。
・1)早急に実体審査を行う制度に変更し、権利の安定化が図られることを要望する。
先願意匠権との類比に関する実態審査を実施し、類似意匠の権利の安定性を高めて頂きたい。
2)国際水準に合わせて、より長期間の権利保護を要望する。
3)国際動向に合わせ、部分意匠も保護できる制度を導入して欲しい。
4)適用範囲を、日本同等に政府主催や公認の展示会以外の個別展示会及び販売活動等「出願人の行為に起因して公知となった場合」などにも適用できるよう範囲を拡大して欲しい。
・専利法
・専利法第23条
・専利法第24条
・専利法第42条
    (対応)
・上海市工商行政管理局は、市場の監督強化と商標偽造行為を厳しく取り締まる通達を出した他、人民法院、公安局および検察院と協力して、商標偽造行為法規の整備を検討するなど改善の動きも強化されている。
・2008年12月に公布された改正特許法では、意匠権の要件に創作非容易性が加えられ、意匠権の要件が改正前に比べ厳格化した。
時計協
(11) 差押さえ担保金申請手続の不合理 ・担保金:
1)総担保金申請しない場合には従来通りの担保金支払となる。担保金額の決定方法が依然不透明である。インボイス表記金額では無く、各税関の裁量で決定されているように思われる。
2)総担保は、最大1年間(申請が認められた日から同年12月31日まで)有効となるが、1月1日からの適用を受けるためには、その2〜3ヶ月前までに申請し担保金を預けなければならない。一方、預けた担保金は、適用される年の翌6月30日から180日以内に返還されることになるので、総担保を継続して利用するために権利者は、2年目以降は実質的には2年分の総担保を預ける必要がある。
・1)算定基準の明示を要望する。
2)継続して総担保を利用する場合には、一旦、預けた総担保を翌年以降も利用できるようになる事を要望する。そもそも権利者が担保金を負担しないで済むような(日本や欧米のような)システムの変換を要望する。
・条例第14条
・弁法第22条
・知的財産権税関保護における総担保の受付について(税関総署公告2006年第31号)
    (対応)
・2009年3月3日に公布された知的財産権税関保護条例実施規則の改正により、知的財産権者が差押さえの際に税関に提供する担保は、金融機関の保証書でもよいこととなった(第24条)。
時計協
(12) 差押さえ後の処理の不透明・遅延 ・税関は侵害貨物の没収を決定した場合、荷受人、荷送人の情報を含む弁法28条に規定される5項目に関する情報を権利者に通知することとなっているが、徹底されていない。
・侵害貨物の処分決定に関する情報開示が不十分である。
・権利者は、貨物差し押え期間中の倉庫保管・処理費用等を負担しなければならない。
・中国税関で差し押さえられた貨物について、現在仕向地国しか開示されない。
・海関の廃棄ル−ルは明文化されているが、AIC/TSB/PSBの廃棄ル−ルが不明確。
・最終決定(侵害品処理)までの時間が掛かりすぎている。
・左記に関する実施の徹底をお願いしたい。
・侵害貨物の処分内容公開を要望する。
・貨物差し押え期間中の倉庫保管・処理費用は、侵害当事者が負担することを要望する。
・国名のみならず、海外の荷受人も開示してほしい。
・行政機関の廃棄処理ル−ルを、明確にすることを要望する。
・効率化を図り最終判断のスピードアップを強く要望する。
・弁法第35条
・条例第20〜27条
・弁法28条
・弁法第31条
・条例第25条
・ハーグ条約(外国公文書の認証を不要とする条約)の中国本土への適用拡大
・商標法第63条
・商標法実施条例第60条
・反不正等競争法第5条
    (対応)
・2009年3月3日、知的財産権税関保護条例実施規則の改正が公布され、税関が貨物を差し押さえた後、知的財産権者と貨物の荷受人・荷送人とが貨物の処理について協議することができるとする条項(27条3項)が規定された。同改正規定は、7月1日より施行される。
時計協
(13) 差押え申請手続期間の延長の必要 ・3労働日以内の差押さえ申請:
税関から侵害疑義貨物が発見されたとの通知を受けた場合、権利者は3労働日以内に侵害品か否か判断し差押さえの申請を行わなければならないが、遠隔地の税関の場合、3労働日以内に手続を取ることは極めて困難である。
・必要な場合、申請の期限延長を認めて欲しい。
・真贋鑑定のために多くの税関ではデジタル画像をメールで送付をしてくれるが、地方を含めて全ての税関で同様の対応をしてもらいたい。そのデジタル画像も文字板面と裏蓋面の両面の拡大写真でお願いしたい。
・弁法第21条
・条例第16条
日機輸
(14) 通常実施権の対抗の登録要件 ・通常実施権は、登録しないと第三者に対抗することができない。しかし、open-innovationで通常実施権の許諾が頻繁に使われる現状を考慮すると、それらをいちいち登録し、管理することを求めるのは、企業らには非常に負担になる。また実施許諾契約は、条件はもちろんのこと、その存在自体も秘密であることが多く、登録することによって公になるのは好ましくない。 ・通常実施権を登録しなくとも第三者に対抗できるようにしてほしい。 ・専利法実施細則第14条
・専利実施許可合同備案弁法第5条

日機輸
(15) 専利権の間接侵害者に対する単独での責任追及不可 ・現在国務院で審議中の専利法改正草案において、間接侵害に関する規定が新設されたが、現状の案だと間接侵害者が直接侵害者と連帯して責任を負うとされているため、間接侵害者の責任を問うためには、直接侵害者と間接侵害者を一緒に提訴するか、または直接侵害者の侵害が従前の訴訟で確定している場合に限られてしまう。しかし、例えば直接実施者が個人として実施している場合には、当該個人に部品を提供して利益を上げている業者に責任を問えないことになり、専利権の実効性を確保できない。 ・間接侵害者に対して、単独で責任を問う(単独で専利権侵害訴訟の被告とする)ことができるようにしてほしい。3 ・専利法改正草案(送審稿)第62条
製薬協
(16) データ保護対象の実質的制限 ・2016年に国家食品薬品監督管理総局(CFDA)はデータ保護対象となる「新薬」を世界における新規化合物と定義づけた。これにより中国以外の国で新規化合物の開発が先行した場合にはTRIPS協定39条3項に基づく医薬品のデータ保護が中国においては保護されなくなるものと懸念される。 ・データ保護の対象を日米欧等と同様として頂きたい。 ・中国医薬品登録管理弁法
日機輸
(17) 知的財産情報の開示不十分 ・権利化・活用ニーズが高まる中国において、件数等の統計情報はデータベースが整備されているが、特に特許庁の審査情報、審査中の手続き情報について、他の主要国と比べて情報開示が不十分であり、また情報開示の時期にも遅れがある。そのため、正確な他社特許リスクを把握できない。 ・先進国特許庁との連携協力を進め、審査中の手続き情報についても、早期の情報公開を進めていただきたい。
特にIP5で推進されているグローバルドシエへの中国審査情報の掲載をタイムリーなものにしていただきたい。
自動部品

(18) 第三者による商標出願 ・中国以外のASEAN諸国でも第三者による商標出願が行われており、現地での製造、販売に支障をきたす事例が出始めている。/経済産業省のご努力により、中国の悪意のある商標登録申請に対し厳正な審査が開始されている模様。 ・登録後の無効審判制度における登録取消制度の拡充。
・他国で著名な商標の登録防止対策、審査段階での他国著名商標の調査。
・中国での厳正な審査継続。
・各国商標法
・第四次改正「商標法」
    (対応)
・2019年4月23日、全国人民代表大会常務委員会は、第四次改正「商標法」を公布した。2019年11月1日施行。
(1)悪意のある商標出願行為に対する規制:
改正後の商標法4条1項に、「使用を目的としない悪意のある商標登録出願は、これを拒絶するものとする。」という内容が追加された等。
(2)商標専用権侵害行為者の責任の厳格化:
改正前の商標法63条1項によると、情状の重い悪意の商標専用権侵害者に対しては、仝⇒者が被った損失、⊃害者が得た利益、又は商標許諾使用費の倍数を参照して合理的に確定した額という3つの方法に基づき確定した金額の1倍以上「3倍」以下で(懲罰的)損害賠償額を確定することができるとされていたが、改正法により、上記の「3倍」が「5 倍」に変更された等。
 

※経由団体:各個社の意見がどの団体を経由して提出されたかを表したものであり、表示団体を代表する「主張」「総意」等を意味するものではありません。
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本表の見方