アルゼンチンにおける貿易・投資上の問題点と要望

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本表の見方
 
9. 輸出入規制・関税・通関規制
経由団体※
問題点
問題点の内容、国際経済法上・二国間協定上の解釈
要望
準拠法、規則、運用
日機輸
(1) 高輸入関税 ・35%という高関税がかけられている電気製品もある。 ・関税引き下げ。 ・政令(Decreto)第25号(2013年1月22日付)
・経済財務省決議第11/2013号(2013年1月24日付)
・関税法
    (対応)
・アルゼンチン政府は2013年1月22日付政令第25号により、メルコスール対外共通関税の例外品目として100品目を追加指定し、ほとんどの品目について従来の税率から一気に譲許税率上限の35%まで引き上げた。譲許税率の枠内とはいっても、非常に高い関税率であり、また急激である。
・アルゼンチン政府は、メルコスール対外共通関税例外品目として一部資本財(メルコスール共通関税分類(NCM)84類、85類、86類、87類、90類、94類)の輸入関税率を一時引き下げた。
・2016年1月6日、アルゼンチンのマウリシオ・マクリ大統領は、法令第11号により一部の自動車、オートバイ、船舶、航空機、ヘリコプターの国内生産・輸入に対する物品税率を引き下げた(適用期間2016年1月1日〜2016年6月30日まで)。
・2016年1月19日、アルゼンチン経済財務省は、法令2016年第205号によりメルコスール対外共通関税の例外品目リストを修正した(適用期間:2016年1月20日〜2021年12月31日)。
・2017年3月3日、亜商務長官決定2017年第152号により非自動輸入ライセンス制度の対象品目リストから一部コンピューター及びビデオモニターを除外した(2017年3月4日より適用)。
・2017年8月9日、アルゼンチン政府は、政令2017年第622号によりメルコスール対外共通関税例外品目として一部資本財(メルコスール共通関税分類(NCM)84類、85類、90類)の輸入関税率を引き下げた。
・2017年8月25日、アルゼンチン政府は、政令2017年673号により一部自動車部品及び資本財(メルコスール共通関税分類(NCM)84類、85類、87類)の輸入関税率を引き下げた。
・2017年11月28日、アルゼンチン政府は、政令979/2017により一部の電機・電子製品に対する内国税の即時撤廃および段階的撤廃した。
本政令では、ティエラ・デル・フエゴ州フリーゾーンで製造される財に対する内国税を2023年末までの時限付きで現行の6.55%(基本税率17%の38.53%を課税)から0%にする。アルゼンチンのそれ以外の地域での製造の場合は、17%から10.5%に引き下げられた後、段階的に削減。2017年10月31日付け大統領府発表の税制改革案によると、内国税を0%にすると提案、2024年には0%になると見込み。
    (改善)
・2015年11月11日、アルゼンチンは、メルコスール加盟国内で生産されない一部資本財に対して特恵輸入関税の適用(メルコスール対外共通関税ではなくアルゼンチンの対外関税2%を賦課)を延長(2015年11月12日より2021年12月31日まで)。
・2018年9月26日、アルゼンチン政府は、メルコスール対外共通関税例外品目として情報技術(IT)・通信製品(メルコスール共通関税分類(NCM)74類、84類、85類、90類)の輸入関税率を一時引き下げ(2021年12月31日まで)。100品目以上が無関税に。
・2019年5月23日、アルゼンチン生産・労働省は、メルコスールで生産されていない自動車部品の輸入関税率を引き下げた。優遇税率2%の対象品目リストを更新・拡大、2019年6月7日より適用へ。
・2019年5月17日、アルゼンチンは、輸入品に対する統計税を0%に改正した(適用期間:2019年5月21日〜2019年12月31日まで)。輸出品については、当該税を適用しない立場を明確化。
・2019年10月29日、アルゼンチンは、輸入品に対する統計税の免除対象となる一部資本財(非在来型石油・天然ガスの採掘用)を公表した(2019年11月2日から12月31日まで適用)。
日機輸
(2) 非自動輸入ライセンスの取得の不透明 ・非自動輸入ライセンスの許可取得について、現時点、当社は大きな課題発生していないが、今後の動向は不透明。特に、現地生産部材の許可取得遅れは、アルゼンチン国内での効率的な生産活動にも影響が大きい。
・当社として非自動輸入ライセンス対象商品として課題があるものは、冷蔵庫、洗濯機、PBX。特に冷蔵庫、洗濯機については低容量のものは輸入制限を設けられている状態(大容量のものに関しては輸入ライセンスは必要も輸入可)。
・非自動輸入ライセンスのタイムリーかつ迅速な許可発行。
・低容量の冷蔵庫、洗濯機についての非自動輸入ライセンスおよび輸入制限の撤廃。
・亜商務長官決定2017年第152号
http://servicios.infoleg.
gob.ar/infolegInternet/
anexos/270000-274999/
272225/norma.htm

    (対応)
・アルゼンチン、非自動輸入ライセンス制度の対象品目リストから一部コンピューター及びビデオモニターを除外(2017年3月4日より適用)
http://www.jmcti.org/trade/bull/trade/alert/arti/2017_03/070317_Argentina_Removes.htm
・2020年1月9日、アルゼンチン政府は、工業・知識経済・対外通商庁決議1/2020号を官報で公布し、非自動輸入ライセンス対象品目として約300品目を追加した(合計約1,500品目)。新たに電子・電化製品、自動車、二輪車、自動車部品、木材関連製品などを対象とした。また、新たな申請フォームが導入された。
日機輸
(3) 輸入規制の突然の実施・不透明 ・多くの輸入規制が電話等での窓口指導的に実施され、何が規制対象となるか、それが活動にどう影響をするかわからず、貿易業者の活動の安定性を阻害。
日化協
(4) 原産地の定義の不明確 ・アルゼンチンの農薬登録規制上、原産地の定義が明確になっていないため、農薬製造会社によっては、原産地を本社としたりあるいは工場としたりと対応が異なっている。原産地の定義が明確でないと、当局見解によって農薬原体・製品のアルゼンチンへの輸出が認められない事態もあり得る。 ・アルゼンチンにおける原産地に関する定義明確化を図ってほしい。
また本件に関連しての農水省への要望ですが、海外当局からの原産地証明書発行要請に対して各農薬製造会社が対応するのではなく、農水省が一括して発行できるような仕組み形成についてもご検討いただければ、海外当局にとっても効率化になると思われる。
フル工
自動部品
(5) 輸入貨物事前認証制度、輸入枠制度による輸入規制 ・輸入貨物支払い用外貨取得の規制(=輸入規制)は、概ね撤廃され改善されつつあるが、依然として煩雑な輸入貨物事前認証制度、輸入枠制度が残る。ショックアブソーバの輸入の際には、該当輸入品が、アルゼンチン認証当局が認めた商品しか輸入できず、新規商品の輸入ができるまでに時間を要する。
またインポーターごとに輸入金額ベースでの輸入枠が設けられており、超過分を輸入するには、輸入枠拡大の申請を当局に行わなければならず、承認を得るまでに時間を要する。
・輸入商品事前認証制度、輸入枠申請制度の撤廃。
日機輸

(6) 通関手続の煩雑・遅延 ・FEDEXで送った貨物の中に、注文品と年末ギフトで手帳を同封したら、現地輸入通関で止まり、2カ月経っても止まったまま。Shipperから何か出来ることが無いか問い合わせても、無いとの事で、肝心の注文品がお客様の手元に届かず、いつ届くかも不明。 ・通関が止まる原因の明確化と対処方法。
 

※経由団体:各個社の意見がどの団体を経由して提出されたかを表したものであり、表示団体を代表する「主張」「総意」等を意味するものではありません。
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