ベトナムにおける貿易・投資上の問題点と要望

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本表の見方
 
17. 知的財産制度運用
経由団体※
問題点
問題点の内容、国際経済法上・二国間協定上の解釈
要望
準拠法、規則、運用
JEITA
日機輸
(1) 知的財産情報の開示不十分 ・権利化・権利活用ニーズが高まる新興国において、裁判・訴訟件数等の統計情報や出願データベースの整備が不十分のため、正確な他社特許リスクを把握できない。 ・先進国特許庁との連携協力を進め、早期DBの整備を進めていただきたい。
日機輸
(2) 拒絶査定時の分割出願不可 ・拒絶査定時に出願人は出願を分割することができない。 ・拒絶査定時にも分割出願できるようにしてほしい。 ・第115条第1項
    (対応)
・ベトナムにおいて分割出願を行うことができるのは、拒絶査定または特許査定の発行日より前となっている。なお、拒絶査定に対する不服審判請求の結果、審査官への差戻し審査となった場合の審査中において分割出願できる。(ベトナム知的財産法 第115条)
JEITA
日機輸
(3) 不明確な第一国出願義務の法令規定 ・現地開発ニーズが高まる新興国において、当該国における第一国出願義務が法令で規定されている国が依然として多いが、その法令が明確でないため、有効な知的財産権の確保が困難な場合がある。
また、多数国間にまたがる研究開発活動が必要とされる今日、複数国での第一国出願義務が抵触するリスクが懸念される。
・第一国出願義務の緩和撤廃、又は法令条文の明確な規定をお願いしたい。
・多数国間での取り決めなどにより、国を跨る研究開発への第一国出願義務の適用緩和などを推進していただきたい。
・ベトナム政令122/2010/ND-CP (2010年12月31日発令)
JEITA
日機輸
(4) ベトナム語以外の言語で出願する際の出願日の確保困難 ・ベトナム語以外の言語で特許出願をした場合、出願日の確保ができない。(インドネシア、マレーシア、シンガポールなど、英語で出願日確保が可能)
・現行の法制度では、出願言語はベトナム語のみである。
・英語ないし外国語言語で特許出願した場合も、出願日の確保を認めていただきたい。
・ベトナム語への翻訳期間の猶予のため、英語で出願できる制度を希望。
・100条(2)、規則7.2
日機輸
(5) コンピュータ・プログラムの不特許事由 ・現行の法制度ではコンピュータ・プログラムは不特許事由である。 ・プログラムを保護対象にしてほしい。 ・第59条
日機輸
(6) 特許出願における優先権証明書の提出義務 ・現行の法制度では、ベトナム出願から3か月以内に優先権証明書の提出が必要である。 ・優先権証明書の提出を簡略化するために、世界知的所有権機関のデジタルアクセスサービス(出願人等は所定の手続きを行うことにより、外国への特許出願等について優先権主張をする際に、DASを通じて日本国特許庁から優先権書類の電子データを取得するよう、外国特許庁/期間に対して請求することができる)への参加を要望。 ・100条(2)(c)
時計協
(7) 税関での疑義侵害物品の真贋鑑定の困難 ・税関差止めにおいては、担保金を積んで差止申請を行った後でないと、疑義品の画像が入手できない。疑義品発見通知に記載されている輸出者/輸入者情報に基づいて侵害か否かを判断しなければならない。 ・差止申請前に疑義品画像を提供して欲しい。 ・Law No. 54/2014/QH13 on Customs
・Circular No. 13/2015/TT-BTC
    (対応)
・2015年3月15日、ベトナム税関は新関税法(Law No. 54/2014/QH13 on Customs)に沿った措置として、知的財産権侵害及び模倣品の取り扱いに関する税関の執行を強化するため、知的財産権侵害物品の疑いがある輸出入貨物をめぐる税関取扱いを規定する通達(Circular No. 13/2015/TT-BTC)に基づく新たな手続きを実施した。
【参考】越財務省通達第13号のURL【越語】(https://www.customs.gov.vn/Lists/VanBanPhapLuat/ViewDetails.aspx?ID=8140
日機輸

(8) 模造品や偽ブランド品に対する知的財産権保護不十分 ・知的財産保護に関する法令が不十分で取締りも緩慢である為、メーカーとしては多大な損害を被っている。今や実店舗での販売のみならず、オンラインでの販売にも模造品や偽ブランド品が氾濫しており、早急な対策が求められている。 ・法令の強化と取締りの厳格化。
・法律の厳罰化。
・Law in IPR 2005, Amendment in 2009
・Decree No. 99/2013/ND-CP
 

※経由団体:各個社の意見がどの団体を経由して提出されたかを表したものであり、表示団体を代表する「主張」「総意」等を意味するものではありません。
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