EUにおける貿易・投資上の問題点と要望

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本表の見方
 
9. 輸出入規制・関税・通関規制
意見元
問題点
問題点の内容、国際経済法上・二国間協定上の解釈
要望
準拠法、規則、運用
JEITA
日機輸
日商
(1) 高輸入関税 ・テレビ、ビデオカメラ等の関税は14%と高関税である。
・EU諸国への弊社商品輸出に関して5.2%の関税率が設けてあり、参入の障壁となっている。
・デジタルカメラの輸入関税が0%である一方、レンズ交換式カメラ用レンズの輸入関税が依然として6.7%であること。(但し、カメラ本体と組み合わせた場合は0%)。採算上、また市場活性化のためにも撤廃していただきたい。
・日EU FTAの早期締結(理想的には2年以内)。
・広範囲をカバーする拡大ITAの早期締結。
・コンピュータや他の機器への接続が可能なデジタルDVIコネクタを持つものを含むフラットパネル表示装置(FDPS)に関するWTOパネルの速やかな履行。
・EUにおける優遇(保護)政策物品の見直し及び対象外物品の関税率見直し。
・レンズ交換式カメラ用レンズの関税撤廃。
・Commission Regulation (EC) No 1031/2008
・Commission Regulation(EEC) No 2658/87
    (対応)
・2013年4月より日EU EPA交渉を開始。
・2015年5月の日EU定期首脳会議において、交渉中の日EU EPAについて、できれば2015年末までに全ての主要課題を含む合意を目指すことで一致した。
・2015年11月の日EU首脳会議において、日EU EPA交渉は引き続き年内の大筋合意に向け最大限努力をし、仮に実現できなくても2016年のできる限り早い時期に実現することで合意した。
・2018年7月17日、日EU EPAが署名され、2019年2月1日に発効予定。発効後、一定のステージング期間を経て関税は撤廃される見通し。
    (改善)
・2015年12月、ITA拡大合意。
日機輸
(2) ITA該当品目への課税 ・新たな融合技術を用いた等の理由により、いくつかのITA対象製品が既に関税ゼロのステータスを失っている。 ・情報技術製品に対する市場アクセス機会という条約本来の精神に立ち返り、ITA対象製品の維持及び拡大を要望する。 ・ITA (Information Technology Agreement) of WTO
    (改善)
・2011年7月1日より、多機能プリンタ、フラット・パネル・ディスプレィ、セット・トップ・ボックスが無税となった(デジタル式コピー機能を主な機能とする製品は2.2%の関税が賦課される)。
・2015年12月、ITA拡大合意。
時計協
日商
(3) 従価税と定額税の併用 ・EUの輸入関税は従価税を基本としているが、ウオッチ完成品(HS9101&HS9102)には従価税(4.5%)と定額税(最低税率と最高税率)を併用している。クロック完成品(HS9103 & HS9105)は3.7%〜4.7%の従価税だけが課されている。 ・時計関税を従価税に統一する。 ・Commission Regulation(EC) No 1031/2008
自動部品
日商
(4) 特恵関税の撤廃 ・現在、欧州域内で販売している自動車は、タイからの完成車であり、現時点ではEU/タイ間の特恵関税が適用されており、General Tariff(基本税率)10%に対して6.5%で輸入可能。しかし、この特恵関税は2015年初頭には撤廃される予定であり、10%となる予定。一方、競合各社は南ア生産によりFTA適用、もしくはEU内組立であり、関税0%となる。
・欧州輸入関税4.5%(ショックアブソーバ)につき、以前までマレーシア、タイ等特恵関税国に関し、0%の関税適用であったが、2015年1月より一般特恵関税制度(GSP)対象外となった。この様な税制変更が頻繁にある。製造元の変更は即座に行えない為、採算への悪影響が出る前に手が打てない。
・現在、EU・タイ間でFTA交渉が進行しているが、FTA関税の適用までに現行の特恵関税を再延長してもらうことはできないか。
・各社関税の件を検討の上、EU・南アに戦略的に生産拠点を設置していること、またEU・タイ現行特恵関税に撤廃のルールが明記されていることは重々承知しているものの、新たな拠点展開が難しいブランドでも、関税による障壁がない市場を創造できないか。
・計画的な税制変更の透明化を行って頂きたい。
・Generalised Scheme of Preferences(特恵関税制度)
日機輸
(5) 関税分類の恣意的な運用 ・ITA導入後も特にインクジェットカートリッジに関する定義(「Mechanical / Electrical component を含む」) に曖昧さがあり、 関税ゼロ適用範囲が不明確となっている。
ITAの合意内容にレンズ製品が含まれなかったことで多額の輸入関税支払いが発生している。
・.ぅ鵐ジェットカートリッジに関する定義(「Mechanical/Electrical componentを含む」)の明示。
▲譽鵐困亡悗垢詬入関税障壁の緩和・撤廃。
・ITA (Information Technology Agreement) of WTO
    (改善)
・ITA拡大品目に含まれ、2016年1月にITA拡大合意。
日機輸
日商
(6) EU-韓国FTAの締結による競争力の低下 ・韓国がEUとFTAを締結し、日本からEUへタイヤ等を輸出する際に関税があり、日本製品の競争力が低下している。他のアセアン諸国においても、特恵関税が適用される国があることも大きい。
・日本製完成車はEU域内への輸入の際に10%課税されるため、2011年韓国-EUのFTA締結後、さらに価格競争力が低下。
また、完成車のみならず自動車部品・化学品原料などに関しても高関税であり、EUにおける製造業の競争力低下につながる。
・先行している他の国(例えば韓国)との比較において価格競争力が劣る分野がある。
・EUとのEPA締結国(例:韓国など)、EU域内FTA国に比べて、関税での障壁があり価格競争力の面で、欧州、EPA締結国に対して苦戦を強いられている。
・日本からの輸出についても関税が撤廃されるよう交渉いただきたい。
・日本製完成車の関税撤廃のため、日-EU EPA交渉を早期に進めて頂きたい。
・日欧EPAの早期妥結。
・EUとのEPA早期妥結をお願いしたい。
・EU-Korea Free Trade Agreement
・EPA
・Commission Regulation: EEC No265/87
    (対応)
・2013年4月より日EU・EPA交渉を開始した。
・2015年5月の日EU定期首脳会議において、交渉中の日EU EPAについて、できれば2015年末までに全ての主要課題を含む合意を目指すことで一致した。
・2015年11月の日EU首脳会議において、日EU EPA交渉は引き続き年内の大筋合意に向け最大限努力をし、仮に実現できなくても2016年のできる限り早い時期に実現することで合意した。
日機輸
(7) 関税賦課一時停止措置の一時性および最終完成品への非適用 ・関税賦課一時停止措置の一時性および最終完成品への非適用 ・以下に規定される関税賦課一時停止措置について。
−最終完成品には、この措置が適用されないこと。
−同一、同等または代替製品がEU内で十分な量が生産されているか、またはGSP対象国である第三国製造者により生産されている場合、この措置は通常認められないこと、同様にこの措置が最終完成品の競争を阻害する場合も適用されないこと。
(http://ec.europa.eu/taxation_customs/customs/customs_duties/
tariff_aspects/suspensions/index_en.htm
)
・これらの関税一時停止措置の問題は、それが一時的であり、またコンポーネントに関してのみ適用されることである。
・この問題は日・EU FTAの締結により解決可能であることから早期の締結を要望する。
・Council Regulation (EU) No 1344/2011
    (対応)
・2019年2月、日EU EPAが発効予定。
日鉄連
(8) アンチダンピング措置 ・2014年8月14日、EU委員会が、日本、中国、韓国、米国、ロシア製の方向性電磁鋼板に対するAD調査を開始する旨を公告。対象HSコードは7225.11.00、7226.11.00。
2015年10月30日、EU委員会が全ての調査対象国についてクロとする最終決定。
日機輸
(9) アンチダンピング関税/相殺関税に関する過剰な「迂回調査」 ・EUは、AD(アンチダンピング)関税/相殺関税の対象製品につき、「これらの税を逃れるための迂回先」と認定した国からの輸入に対し、AD関税/相殺関税と同率の税を課している。
EU当局は、「迂回」の認定に先立ち、被疑国の製造者に対し「迂回調査」を行なうが、調査は迂回の多様な実態を想定した広範な項目に亘る。
そして、「迂回調査」の対象国の製造者には、上記調査の全ての項目への対応が求められ、これに協力しない製造者に対しては「迂回」が認定され、対象製品のEU輸入時にAD関税/相殺関税と同率の税が課されることとなるリスクが高いのが実態である。
そこで、当該課税を免れるためには、自社製品がEU法上迂回に該当しないことの証明に加えて、自社に関する証明には不要と思われる事項も含む広範な調査への協力対応が必要となり、「迂回有無の判断」という本来の調査目的を超えた過大な負担が強いられることになる。
・AD関税/相殺関税の「迂回調査」は、製造者別の実態を考慮し、「迂回有無の判断」に必要な最小限の調査項目に限定した実施を要望。 ・COUNCIL REGULATION (EC) No 1225/2009 of 30 November 2009 13条
    (対応)
・アンチダンピング関税率の引き下げについて合意済み。
JEITA
日機輸
(10) 長期に渡るBTI承認期間 ・Binding Tariff Informatuin(BTI)の申請から承認までの時間がかかりすぎる。 ・時間を短縮するべきである。
    (参考)
・EUでは、ある産品がどの品目コードに分類されるかについて、事業者は加盟国当局に対し拘束的関税分類情報(BTI)を求めることができる。BTIは原則として6年間有効で、一定の例外を除き、EUのいずれの加盟国においてもBTIにしたがった分類を受けることができる。
JEITA
日機輸
(11) 通関手続の不統一 ・EU各国の税関により通関手続きの調和がなされていない。
時計協
日商
(12) 輸出許可要件の不統一 ・ワニ革の時計バンドを輸出する際には、日本でワシントン条約(CITES)に基づく輸出許可を取る必要がある。国によっては更に輸入業者が輸入許可を取る必要があり、時間と手間がかかる。
・ATAカルネを使ったサンプルの場合にはそのつどの輸出・輸入許可が必要である。
・輸出側の許可だけで輸入できるようにして欲しい。
・ATAカルネを使ったサンプルの場合にはそのつどの輸出・輸入許可を不要にして欲しい。
・ワシントン条約
日商
(13) 輸出入規制 ・日本をはじめ、国により食品の原料規制が異なっており、各国それぞれへの食品貿易に非関税障壁が存在している。 ・複数存在する食品FDA規制を世界的に一本化してほしい。 ・EU規格
日商
(14) 日本の農業・水産品の輸入規制 ・日本の農業・水産品に対しEUは、健康面ならびに環境面から輸入を規制しており(例として燻製品の発癌可能性リスクを考えて規制が強化されている鰹節など)、日本の農業・水産品の輸出に障害となっている。 ・日本の農業・水産品にかかる輸入規制の緩和・撤廃の働きかけ強化。 ・EU食品安全基準
日機輸

(15) 物流セキュリティ規制遵守のための企業負担 ・米国とEU向け出荷時の船積み前24時間ルールにより、出荷時の商品滞留時間が長くなり、企業の負担になっている。
事例:米国が2001年同時多発テロを契機にモノの輸入に関して以下のリスク把握を行う体制を導入。
1. 24時間ルール:外国港での船積み24時間前までに船荷情報の提出を義務付けるもの
2. コンテナ・セキュリティ・イニシアティブ:職員の常駐により危険度の高いコンテナを識別
・優良企業への優遇策導入。 ・Advanced Manifest System
(通称 24時間ルール)
 

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