カナダにおける貿易・投資上の問題点と要望

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本表の見方
 
9. 輸出入規制・関税・通関規制
経由団体※
問題点
問題点の内容、国際経済法上・二国間協定上の解釈
要望
準拠法、規則、運用
日機輸
日鉄連
(1) アンチダンピング措置 ・2014年5月20日、厚板に対するアンチダンピング調査(AD)において、カナダ国際貿易裁定委員会(CITT)が損害ありとする最終決定を下し、AD税の賦課措置が決定。
2016年10月20日、大径溶接ラインパイプアンチダンピング調査(AD)において、CITTが損害ありとする最終決定を下し、AD税の賦課措置が決定。
2017年5月3日、鉄筋用棒鋼アンチダンピング調査(AD)において、CITTが損害ありとする最終決定を下し、AD税の賦課措置が決定。
・2016年10月20日、大径溶接ラインパイプに対するアンチダンピング(AD)調査で、CITTが損害ありとするクロの最終決定を下し、AD税賦課措置が決定。
・措置撤廃。
・措置撤廃。
・Custom Tariff Act
・Export and Import permits Act
・Special Import Measures Act
    (対応)
・2014年5月20日、CITTは厚板に対するAD調査におけるすべての調査対象国についてクロとする最終決定を行い、アンチダンピング税賦課が決定した。
日機輸
(2) NAFTA見直し及び関税策による製品販売減の恐れ ・NAFTAの再検討及び関税策により、三カ国間の貿易が影響を受けるとともに、カナダ・メキシコにおける製造メーカーの投資減少に起因する機材販売の低迷を招来。 ・関税の適正化。
    (参考)
・2017年8月16日〜20日、NAFTA再交渉第1回会合(於ワシントンDC)において、年内の決着を目指し、包括的な再交渉のプロセスを加速することで米加墨3ヵ国が合意。
・2017年9月1日〜5日、NAFTA再交渉第2回会合(於メキシコ)において、「原産地規則」では具体的提案なし。
・2017年9月23日〜27日、NAFTA再交渉第3回会合(於オタワ)において、中小企業章の交渉が終了、競争政策や通信、電子商取引等の分野でも前進したが、「原産地規則」の強化をはじめ、重要分野をめぐる協議は難航、合意は先送りへ。
・2017年10月11日〜17日、NAFTA再交渉第4回会合(於ワシントン)において、米国は自動車貿易で関税をかけない条件として3カ国から部材を85%以上調達したうえで、米国製部材を50%以上使うよう求める「原産地規則」の見直しを主張;年内妥結断念、2018年1〜3月に先送り。
・2018年1月23〜29日、NAFTA(北米自由貿易協定)再交渉第6回会合開催(於:カナダ・モントリオール);交渉当事国間の対立の少ない「近代化」に関する分野では合意間近に;対立の多い問題では自動車の原産地規則等で議論に踏み込むも依然隔たり;米国の一方的なNAFTAの離脱可能性は当面遠のくも、再交渉は長期化の様相。メキシコ大統領選(2018年7月)あるいは米議会中間選挙(2018年11月)の後か、さらには2019年以降まで延長される公算大。
    (対応)
・2018年8月27日、NAFTA(北米自由貿易協定)再交渉、米国とメキシコの二国間で仮の原則合意。
・2018年9月30日、米国、カナダ、メキシコ、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新たな三カ国間貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」で合意;早ければ、2015年TPA法「超党派議会貿易優先事項・説明責任法(大統領貿易促進権限)」のスケジュールに基づき米大統領の署名が可能となる2018年11月29日又はその直後に署名の見込み。
・2019年12月10日、米下院民主党指導部は、トランプ政権とUSMCAの労働・環境・知的財産・紛争解決分野の修正で合意した。米・墨・加による修正議定書への署名後、来週(12月16日の週)にもUSMCA実施法案をめぐる米下院採決の見通し。
・2020年1月17日、米議会は、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)実施法案を承認した。トランプ大統領の署名により成立へ。
・2020年1月29日、トランプ米国大統領は、米議会で可決された米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)実施法案に署名。
日機輸

(3) TPP協定の暫定案文のISDS条項に対する懸念 ・TPP協定の暫定案文第9章(投資章)にあるISDS条項(Investor-State Dispute Settlement Clause:投資家対国家間の紛争解決条項)により、TPP参加国とのビジネスにおける偏った訴訟リスクの懸念がある。 ・ISDS条項に対する再検討。 ・TPP協定の暫定案文
    (対応)
・2016年2月に12か国がTPP協定に署名したが、2017年1月に米国が離脱宣言をしたため、11か国の閣僚がTPP早期発効に向けた検討を行うことで合意し、同年11月にベトナムで開催されたTPP閣僚会合において、TPP11協定(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定:CPTPP)を大筋合意した。2018年3月8日には、我が国を含めて11か国の閣僚がチリのサンティアゴで開催されたTPP11署名式において署名を行った。新協定では、凍結項目にISDS(投資許可、投資合意)関連規定(第9章)が含まれた。
【TPP11】
第二条特定の規定の適用の停止(凍結)
締約国は、この協定の効力発生の日に、この協定の附属書に掲げる規定の適用を停止する。締約国は、これらの規定のうち一又は二以上の規定の適用の停止を終了させることに締約国が合意する時まで、当該規定の適用を停止する。

・2018年7月20日現在、我が国を含む3カ国が国内手続を完了し、協定の寄託国であるニュージーランドに対し通報済み。
日本政府は、2018年7月6日、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(TPP11協定)の国内手続の完了について、本6日、茂木経済再生担当大臣から駐日ニュージーランド大使に伝達するとともに、在ニュージーランド大使館から寄託国であるニュージーランド政府宛てに通報を行った。

・2018年12月30日、TPP11発効(墨・日・星・NZ・加・豪)。
・2019年1月14日、TPP11発効(越)。
 

※経由団体:各個社の意見がどの団体を経由して提出されたかを表したものであり、表示団体を代表する「主張」「総意」等を意味するものではありません。
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