シンガポールにおける貿易・投資上の問題点と要望

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本表の見方
 
9. 輸出入規制・関税・通関規制
経由団体※
問題点
問題点の内容、国際経済法上・二国間協定上の解釈
要望
準拠法、規則、運用
JEITA
日機輸
(1) 輸出管理該非判定情報取得の煩雑 ・同じワッセナー等のリストを使いつつ、微妙に適用方法や適用時期が国ごとに異なる。よって国境を越えるたびに新たな該非判定情報が必要となるというのが負担。
・シンガポールのSecurity Trade Controlのリスト品目の該非基準が、日米やヨーロッパと多少異なる。そのため、日本から非該当として輸出した品目であっても、シンガポールから輸出する際には該当となることがある(その逆のケースもある)。
その結果、シンガポールで独自に該非判定作業が必要となる。
こうした手間を回避するため、Security Trade Controlに該当する恐れのある製品は、シンガポールからの輸出が生じない物流ルートを利用している。物流ハブとして高い機能を有するシンガポールが使えないのは、商物流網構築の足かせとなる。
・国をまたがる、ワッセナー基準での該非判定情報の整備。
(例えば、CISTECのグローバル版)

・Security Trade Controlの国際基準への統一化。
・ワッセナーアレンジメント
日機輸
(2) 輸入関税分類HSコード解釈の相違 ・中国当局と同一製品のHSコードに関して見解が異なっているものがあり、実務上困っている。 ・HSコードの統一。 http://fta.mofcom.gov.cn/
topic/ensingapore.shtml

日機輸
(3) TPP協定の暫定案文のISDS条項に対する懸念 ・TPP協定の暫定案文第9章(投資章)にあるISDS条項(Investor-State Dispute Settlement Clause:投資家対国家間の紛争解決条項)により、TPP参加国とのビジネスにおける偏った訴訟リスクの懸念がある。 ・ISDS条項に対する再検討。 ・TPP協定の暫定案文
    (対応)
・2016年2月に12か国がTPP協定に署名したが、2017年1月に米国が離脱宣言をしたため、11か国の閣僚がTPP早期発効に向けた検討を行うことで合意し、同年11月にベトナムで開催されたTPP閣僚会合において、TPP11協定(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定:CPTPP)を大筋合意した。
2018年3月8日には、我が国を含めて11か国の閣僚がチリのサンティアゴで開催されたTPP11署名式において署名を行った。新協定では、凍結項目にISDS(投資許可、投資合意)関連規定(第9章)が含まれた。
【TPP 11】第二条特定の規定の適用の停止(凍結)締約国は、この協定の効力発生の日に、この協定の附属書に掲げる規定の適用を停止する。締約国は、これらの規定のうち一又は二以上の規定の適用の停止を終了させることに締約国が合意する時まで、当該規定の適用を停止する。

・2018年7月20日現在、我が国を含む3カ国が国内手続を完了し、協定の寄託国であるニュージーランドに対し通報済み。
日本政府は、2018年7月6日、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(TPP11協定)の国内手続の完了について、本6日、茂木経済再生担当大臣から駐日ニュージーランド大使に伝達するとともに、在ニュージーランド大使館から寄託国であるニュージーランド政府宛てに通報を行った。

・2018年12月30日、TPP11協定発効。
日機輸

(4) FTA原産地証明の通関手続の煩雑 ・FTA締結国(韓国)向け輸出のFTAの原産地証明にかかる税関手続きが複雑で遅れが出ている。 ・手続きの迅速化。 ・Refer to Singapore Customs website at https://www.customs.gov.sg
 

※経由団体:各個社の意見がどの団体を経由して提出されたかを表したものであり、表示団体を代表する「主張」「総意」等を意味するものではありません。
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