ベトナムにおける貿易・投資上の問題点と要望

<-BACK
本表の見方
 
24. 法制度の未整備、突然の変更
経由団体※
問題点
問題点の内容、国際経済法上・二国間協定上の解釈
要望
準拠法、規則、運用
日機輸
(1) 法制度の実施運用細則の未整備 ・法律に関しては公布前に企業の意見を求めることが増えてきている一方、詳細な運用が決まらないまま発行されるため、地域行政当局・担当者によって解釈が異なり、企業活動に様々な支障をきたしている。 ・法令発行前に企業の意見を吸い上げ、十分な運用検討を行って頂きたい。
    (対応)
・国会は、2002年4月、ダンピング価格と独占価格に関する価格条令を承認、5月、国際通商における最恵国待遇と内国民待遇に関する条令を承認、同月、外国製品輸入のセーフガード措置に関する条令を承認した。
    (改善)
・2002年10月4日、国会(National Assembly)は、一層の司法の独立を発達させる努力において、司法省(Ministry of Justice)からベトナム最高人民裁判所への司法権の移行を承認した。政府は人民裁判所の判決に関する通達及び人民検察院(People's Procuracy)の検察官に関する通達を出した。その通達は、裁判官及び検察官が従事することができる活動を規定している。これは、司法において、汚職を制限し、公衆の信頼を取り戻すための努力である。
・既存法規並びに実施規則の英語版官報が入手できるようになった。
・2005年4月8日、ベトナムへの外国直接投資の導入を促進する措置に関する首相指令13/2005/CT-TTgが公布された。当該指令による政策は、以下の通りである。
(a)外国投資法、関連法律、国際条約と不整合な投資認可発給の制限・停止を目的とした法令の公布を行わないこと。
(b)AFTA、BTA、日越合同イニシアティブ、EUとの合意との関連における、国際条約の遵守。
(c)投資法及び企業法の実施のための指針を示す法令の公布。当該法令の公布にあたっては、法規の統一性、明瞭性、予見可能性を確保しなければならない。その後の政策は、承継性、不遡及性、魅力性を満たすものでなければならない。
(d)特に認可されたプロジェクトの投資優遇につき、投資優遇措置に影響を与えない税制に関する規定を完全に遂行すること。
・株主の登録:
企業法60/2005/QH11に基づき、総株式数の5%以上を所有している株主は、関係事業登録機関に対し、当該所有割合を入手した日付から7営業日以内に登録する必要がある。
経営者:
LOE2005に基づき、LLCおよびSCの法的代表者はベトナムに居住していなければならない。代表者が30日を超える期間ベトナムを離れる場合は、書面により、法的代表者の権限・義務を実施する権限を他の者に与える必要がある。
事業登録の内容の公表:
企業法60/2005/QH11により、事業登録証明書の発行日から30日以内に、企業は事業登録機関の企業情報網、または新聞・電子ニュースレターの3回連続の発行物において公表しなければならない。事業登録内容に変更が生じた場合、当該企業は、期限内に本項で規定した方法により、その変更について公表しなければならない。
投資手続き:
決定No.1088/2006/QD-BKH(MPI、2006年10月19日付)は、ベトナムの投資手続の標準形式について規定している(「決定1088」)。これに基づき、投資家は新投資企業体制の下で、投資登録・評価の申請、事業登録申請を行う際に、投資書類作成提出の標準形式に従わなければならない。決定1088によって、公式標準化された投資手続は、投資事業環境における効率・透明性の改善となる。
・ベトナム政府は2007年9月5日、会社法(2006年第60号法;No. 60/2006/QH11、2005年11月29日制定)のいくつかの規定に関する実施細則を定めた政令第139号(Decree No. 139/2007/ND-CP)を公布した。政令第139号は、
(1)初めてベトナムに投資する外国投資家、
(2)2006年9月21日付け政令第101号(Decree No. 101/2006/ND-CP)に従って投資証明書を再登録していない外国企業、
(3)株主総会参加者、
(4)累積投票などに関する指針を定めている。
同政令の規定に基づき、初めてベトナムに投資する外国投資家は、設立する企業の定款資本の49%以上を所有する場合、投資登録を行わなければならない。また定款資本の49%未満しか所有しない場合、企業の設立は、2006年8月29日付け政令第88号(Decree No. 88/2006/ND-CP)に定められた事業登録の手続きに従う。投資証明書の再登録を行っていない外国投資家は、事業範囲、投資期間、既存の投資免許の諸条件による制限を受ける。株主権に関して、有限責任会社の定款資本の35%以上を所有する機関又は企業の普通株の10%以上を所有する機関は、社員総会又は株主総会にそれぞれ最大3名まで参加させることができる。政令第139号はまた、株主に対して、株主総会の承認に従って、累積投票を行うことを認めている。
日化協
(2) 法令改正の周知期間が短く周知不徹底 ・環境、税制などの法令、政令、省令変更が頻繁で且つ、周知期間が短くアナウンスも徹底されていないため随時法令のチェックが必要。 ・法改正時の周知方法の見直し。
建産協
(3) 頻繁な法改正や手続の煩雑さ ・貿易、現地生産を行っていないので大きな問題はなし。
年々改善はされているものの、頻繁な法改正や実情に則さない規制、また手続きの煩雑さなどの問題は依然残っている。
製薬協

(4) 曖昧な新規制の基準・運用 ・外資系企業による医薬品の輸入販売が解禁されたが、可能な事業範囲や登記方法が明確ではない。
・政府保険診療外での薬剤販売価格はこれまで自由であり、今後も原則自由であるべきだが、価格規制を導入しようとしている。
・政令54の運用を実態経済や医療提供体制に即した形で明確化して頂きたい。 ・Decree 54/2017/ND-CP
 

※経由団体:各個社の意見がどの団体を経由して提出されたかを表したものであり、表示団体を代表する「主張」「総意」等を意味するものではありません。
<-BACK
本表の見方