米国における貿易・投資上の問題点と要望

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本表の見方
 
2. 国産化要請・現地調達率と恩典
経由団体※
問題点
問題点の内容、国際経済法上・二国間協定上の解釈
要望
準拠法、規則、運用
自動部品
電線工
日化協
日機輸
日商
(1) バイアメリカン条項による米国製品優遇 ・鉄道車両の部品を輸出したいが、バイアメリカン条項の存在が取引を萎縮させている。
・公共事業(鉄道、橋梁など)及び軍関連事業に使用される溶接材料には米国産品購入指定がある。
・バイ・アメリカンは良し悪しである。中国勢、日本勢等競合社の参入を抑制する効果がある一方で、米国市場向けに当社がメキシコなどの低賃金国で生産または製造委託をする可能性まで閉ざしてしまう。結果的に、米国内での競争力低下にもつながる。
・米国製品を外国製品より優遇する条項は廃止して欲しい。
・米国産購入指定の撤廃。
・ある一定の適用は必要と認識するが、大幅に拡張すべきではない条項と思う。
・各種法令に挿入されているバイアメリカン条項
−2009年米国復興・再投資法
−各州の公共事業入札条項等
・バイアメリカン法令の運用を強化する大統領令(トランプ大統領が2017年4月18日に署名)
・Buy American Act
・2009年2月に成立した米国の景気対策法では公共事業などに米国製の鉄鋼製品の購入を義務付けるバイアメリカン条項が盛り込まれた。
    (参考)
・2017年4月18日付大統領令は、「米国製の物品・製品・材料の購入・使用を義務付ける、またはそれらを優遇する」全ての法律・規制などを対象とし、バイアメリカン法とバイアメリカ条項の両方を含む。サービス分野以外の鉄鋼製品をはじめとする全ての製造品が対象。
・2017年8月21日、USTRと米商務省は米国が締結した自由貿易協定やWTO政府調達協定(GPA)上の米国の国際義務がバイアメリカン法令の運用に及ぼす影響について意見募集を実施(意見提出期限:2017年9月18日午後11時59分(米国東部現地時間));バイアメリカン法令の運用を強化する「バイアメリカン、ハイヤーアメリカン」に関する大統領令(4月18日付)に基づく大統領への報告にあたり。
    (対応)
・2009年2月17日、オバマ大統領は、景気対策法と称される2009年米国復興・再投資法(The American Recovery and Reinvestment Act of 2009:H.R.1)に署名した。この法律には、同法より適格又は利用可能となる資金を用いて実施される公共建造物の建設、改築、メンテナンス、修復のプロジェクトに用いられる鉄鋼及び製造物品は米国製(連邦調達規則が適用される場合、ローカルコンテンツ50%以上)であることを義務付ける「バイアメリカン条項」が盛り込まれている。同条項は、WTO政府調達協定またはFTAに基づく互恵的な政府調達義務があると見做される国に対して適用が撤回され得る。
・2009年7月1日、商務省は、ブロードバンド普及のためのスイッチ、ルータ、伝送・接続用機器などの通信機器の一部を景気対策法・バイアメリカン条項の適用除外にすると官報公示した。
・2011年3月、日米経済調和対話において日本側関心事項として、バイ・アメリカン法及び連邦調達規則52.225等の規定の適用除外条項は、"Contracting Officer"の決定を要するとの要求基準の明確化することが提示された。
・2013年6月5日、米産業界は、公共事業・政府調達における「バイ・アメリカン」への反対を議会に訴える。
・2014年6月25日、WTO政府調達委員会会合が開催された。カナダは、米各法案に新たに盛り込まれた公共インフラプロジェクトにおける米国製品の使用を義務付ける「バイアメリカン」条項に反対、同条項のWTO政府調達協定違反を主張する。
・2014年11月、米国の州レベルで広がるバイ・アメリカン法、カナダとEUが依然反対。
・2019年1月13日、トランプ米大統領は、「インフラプロジェクトにおける米国製品優先購入(バイ・アメリカン)を強化する」大統領令に署名。
日機輸
(2) バイアメリカン方針の変更、拡張 ・すべての連邦インフラ案件において、米国製品のみ若しくは50%以上米国製を要求する脅威。おそらく一般的には連邦調達と州での適用。
ニューヨーク州は既に適用済み。
・これは報復/貿易戦争を招くとともに、比較優位を認識することができない。 消費者へのコストを増大させ、品質、その他の基準の選択肢を狭め/排除してしまう。この議案の反対を要望。 ・ブラウン米国上院議員により起案、検討保留中
・バイアメリカン法令の運用を強化する大統領令(トランプ大統領が4月18日に署名)
・インフラ投資計画
・各州の立法

    (参考)
・ニューヨーク州では、2017年6月に、一定額を超える物品又はサービスの調達において州機関に米国産品の購入を求めるニューヨーク・バイ・アメリカン法(New York Buy American Act)が議会で可決され、同年12月にニューヨーク州知事の署名を経て立法された。
また、テキサス州でも、バイ・アメリカ法を強化する立法が2017年5月に州議会で可決されている(「2018年版不公正貿易報告書」)。

・2017年8月21日、USTRと米商務省は、バイ・アメリカン法令の運用を強化する「バイ・アメリカン、ハイヤーアメリカン」に関する大統領令(4月18日付)に基づく大統領への報告にあたり、米国が締結した自由貿易協定やWTO政府調達協定(GPA)上の米国の国際義務がバイ・アメリカン法令の運用に及ぼす影響について意見募集を実施(意見提出期限:2017年9月18日午後11時59分(米国東部現地時間))した。
    (対応)
・2019年1月13日、トランプ米大統領は、「インフラプロジェクトにおける米国製品優先購入(バイ・アメリカン)を強化する」大統領令に署名。
自動部品

(3) 米国内でのコスト高 ・米国内業者からの部材調達では価格が折り合わない為、現在、部材購入金額の6割超を北中米・アジア圏等から輸入している。立ち消えになったと思われる国境税調整制度(輸入仕入高の損金不算入)に代わる新制度が検討・施行されると、更なるコスト高が進行する可能性がある。
・現米国政府の保護政策に基づき、大手製造業拠点の米国内回帰が進みつつある。当該企業の周辺地域では、人材流出・採用難・賃金上昇等、短期的には経営環境は悪化すると思われる。
・自由競争の推進。
・自由競争の推進(過度な保護政策の自粛)。
・税法、他
 

※経由団体:各個社の意見がどの団体を経由して提出されたかを表したものであり、表示団体を代表する「主張」「総意」等を意味するものではありません。
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