クウェートにおける貿易・投資上の問題点と要望

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本表の見方
 
14. 税制
経由団体※
問題点
問題点の内容、国際経済法上・二国間協定上の解釈
要望
準拠法、規則、運用
日機輸
(1) 留保金制度適用による不合理 ・クウェートでの石油精製、石油化学、天然ガス処理、液化天然ガス(LNG)プラント等の建設プロジェクト(設計・機材調達・建設一括請負)では、税務当局から発行されるNo Objection CertificateやTax Clearance Certificateと呼ばれる、いわゆる納税義務完了通知書の取得まで契約金額の一部(=クウェートは5%、カタールは3%)を留保される制度があり、資金回収面で期間の不利益が生じる。 ・左記のような留保金(リテンション)制度を適用しないでいただきたい。
日機輸
(2) 広範な課税対象範囲 ・クウェートでは、プラント輸出契約(設計・機材調達・建設の一括請負契約)について契約金額総額が課税対象になる。そのため設計役務など当該国外(例えば、日本、第三国など)において提供された役務についてもすべてが課税対象になる。
特にクウェートでは、韓国等の一部の国が国外提供役務に対する免税を勝ち取っており、日本がそれらの国とプラント輸出で競合する場合、税制上不利になる。
・プラント輸出契約(設計・機材調達・建設の一括請負契約)において設計役務などプラント建設国外(例えば、日本、第三国など)にて提供された役務については、課税対象外にしていただきたい。
・恒久的施設(Permanent Establishment:PE)に帰属する所得を当該国での建設部分のみとするよう租税条約に明記頂きたい。
・特にクウェートにおいて韓国等と競合する場合、税制面で不利を被らないようにしていてだきたい。
日機輸
(3) 租税条約の不適正な運用 ・租税条約上、PEに帰属する所得のみを事業所得の対象となっているが、現地の課税当局の解釈上、現地で発生するすべての収入をPEの申告対象としている。例えば、現地PEに帰属しないサービス提供(例:数日の出張ベースによるサービス提供)もPEに帰属する所得として解釈されており、現地で課税される。また、日本で製造した機器の現地への販売に係る対価も申告対象とされている(但し、収入=費用として申告し、所得が発生しない)。
・2008年にクウェート税法が改正され、同時期に日本との間で租税条約が締結されているが、実際にはこれが反故にされおり、本来であればクウェート現地で発生したコスト(指導員のホテル代やレンタカー代等)は現地税務申告時に控除されるべきであるにも拘らず否認されている。
・現地当局との意見交換等を通じて、租税条約に基づきPEに帰属する所得の定義を適正に解釈し、該当所得のみを申告の対象とするよう現地の実務対応を明確していただきたい。
・租税条約の順守。
日機輸

(4) 税務調査の大幅遅滞 ・現在、当社の納税証明書が発行されるのに5年程度掛かかっている。同国法上、納税証明書が発行されるまで案件契約額の5%がWithholdされることから、当社キャッシュフローを大きく毀損している。 ・税務調査の早期実施。 ・Ministerial Order No.44 of 1985
 

※経由団体:各個社の意見がどの団体を経由して提出されたかを表したものであり、表示団体を代表する「主張」「総意」等を意味するものではありません。
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