◆サプライチェーン・セキュリティ対策
  米国関税局の新たなセキュリティスキーム(C-TPATとCSIについて)
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米国の貿易システム及びコンプライアンスプログラムの統合の動きについて
2014/07/03

 現在、米国税関はセキュリティ面で優良と認定した企業に付与するC-TPAT(日本のAEO相当)とコンプライアンス面で優良と認定した企業に付与するISAと2つの任意プログラムを提供していますが、加入者数はC-TPATが約10,700社であるのに対して、後者は約300社に留まっています。

 貿易コンプライアンス・プログラムは、認定および維持に相応のコストと労力がかかるとして米国産業界からはさらなるベネフィットを求める声が上がるとともに通関行政に対しては、セキュリティと貿易円滑化のバランスの観点から、
①リスクベースアプローチ(リスクの度合いに応じた管理手法)と②アカウントベースアプローチ(貨物ごとの管理に代え企業ごとの管理手法)の必要性を訴える声が上がり始めています。

 今年2月25日に、米国政府は「米国企業のための輸出入手続きの合理化」と題する大統領令の中で、省庁横断型のデータベース型国際貿易システムの構築、輸出入手続きの一元化等による輸出入手続き効率化を発表しましたが(参考1)、これに続いて本年6月には、C-TPATとISAの統合によるTrusted Traderプログラムのテスト開始に向けたテスト参加者募集を発表しました。この中では、大胆なベネフィットの提供も述べられています。(参考2)

 こうした一連の取り組みにより、今後は米国では、輸出入者の手続き合理化、コンプライアンス度に応じたベネフィットオプション等についての検討が進むものと期待されます。

 当組合事務局では米国の省庁横断型の国際貿易システム構築動きに関する資料(資料1)とC-TPATとISAの統合によるTrusted Traderプログラムテストに関する資料(資料2)をまとめましたので各社でのご参考にしていただければ幸いです。

(参考1)米国企業のための輸出入手続きの合理化:
本年2月25日に公布された米国大統領令(2014年2月19日付大統領令13659号)の中で、米国は新世代貿易手続きシステム(ACE: Automated Commercial Environment)と複数の政府機関をまたがる国際貿易システム(ITDS: International Trade Data System)を2016年12月31日までに統合し複数省庁にまたがる書類手続き窓口一元化、データの標準化によるデータベース構築を図るとしており、こうした取り組みが貿易環境の改善、世界最大の経済国であり通商国家である米国の発展につながるものと説明しています。
なお、同大統領令の原文は、以下のサイトからご覧になれます。
http://www.gpo.gov/fdsys/pkg/FR-2014-02-25/pdf/2014-04254.pdf

(参考2) Trusted traderプログラム
Trusted traderプログラムは2012年から検討が始まっており、同年7月には第1回の官民合同の協議会が開催されています。産業界からは荷主、船社、通関業者等が、また官側からも当初からCBP(税関国境取締局)、TSA(運輸保安局),FDA(食品医薬品局) CPSC(消費者製品安全委員会)が参加してプログラム創設に向けた検討を進めてきました。
CBPは今年3月にワシントンD.Cで開催したTrade Symposiumで今後、本プログラムが本格的稼働すれば、米国の貿易関係者は以下の参加オプションから選択することになるだろうと説明しています。

C-TPAT、ISA両方のプログラムの保有者はTrusted traderプログラムへ自動移行する。
C-TPAT保有者はコンプライアンス面を強化してTrusted traderプログラムに加入するか、または現状のままC-TPATのみに留まることもできる。
C-TPATでもISAでもない場合は、Trusted traderプログラムへ加入することも、 C-TPATへ参加することも、または、いずれのプログラムにも入らないこともできる。

以上


本件の問合せ先
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日本機械輸出組合 
部会・貿易業務グループ (橋本、多田)
TEL: 03-3431-9800
Email: bukai@jmcti.or.jp
URL: http://www.jmcti.org
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