◆サプライチェーン・セキュリティ対策
  米国関税局の新たなセキュリティスキーム(C-TPATとCSIについて)
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海外製造者C-TPAT参加手続オープン
2003/09/08

米国税関とパートナーシップを結んで社内セキュリティプログラムを実施し、迅速な通関、少ない検査率というベネフィットを得るという、米国税関・国境保護局(CBP)のC-TPATプログラムについての参加手続が、8月18日付けで海外の製造者にもオープンになりました。しかしながら、今回オープンになった手続の対象となる海外製造者は以下の通り限定されています。
  • メキシコの製造者
  • 既にC-TPAT参加者として認定されている米国輸入者のメキシコにある関連会社
  • メキシコ以外の地域の製造者については、CBPが指定する製造者

参加手続は概要以下の通りとなっています。
1.
C-TPATアグリーメントに署名してCBPに提出する。
2.
アグリーメントには必用な添付書類も併せて提出する。
3.
アグリーメントは、海外製造者セキュリティリコメンデーションにしたがって社内セキュリティを実施するというコミットメントを表明することになる。
4.
アグリーメント提出後90日以内に、C-TPAT海外製造者プロファイルを作成して提出する
5.
CBPはプロファイル受領後、原則として60日以内に審査を行い所見・勧告等を申請者に送る。

参加手続の詳細については右のアイコンをクリックして下さい
アグリーメントは右のアイコンをクリックして下さい
海外製造者セキュリティリコメンデーションは右のアイコンをクリックして下さい
プロファイルは右のアイコンをクリックして下さい


アグリーメント書面に列記された内容は、米国内輸入者に対して初めて手続がオープンにされた昨年4月時点の内容と比較して詳細になっており、C-TPAT参加者になるために海外製造者に課せられる要件はかなり厳しいという印象を受けました。

今回、メキシコの製造者を基本対象としたことの背景は次の通り推測されます。すなわち、7月23日に2002年通商法に基づく事前申告のプロポーズド・ルールが発表され、トラックも事前申告の対象となりました。しかしながら、トラックに係わる輸入通関制度と運用状況、事前電子申告に関する環境整備の遅れなどから、特にメキシコ国境においてトラックの事前申告を実施するには解決しなければならない問題がかなりあると推測されます。今回発表されたメキシコ製造者に対するC-TPAT参加手続にはFASTプログラムへの参加資格も含まれています。

FAST(Free and Secure Trade)プログラムとは、あらかじめローリスクと認定された輸入者あるいはトラック・キャリアについて円滑な通関を適用するプログラムで、米国・カナダ国境でしか実施されていませんでしたが、やはり8月に急遽メキシコ国境のトラック通関にも参加手続がオープンにされました。こうした一連の動きから、メキシコ国境におけるトラックの事前申告環境を大急ぎで整備しようとしているように見えます。

なお、メキシコ以外の地域にある海外製造者についてはCBPが指名してC-TPAT参加要請するとされていますが、どのような基準でどのような海外製造者が指名されるのか詳細は明らかにされていません。C-TPATとはあくまでもボランタリープログラムですが、実際にCBPから指名された場合、事実上強制に等しいと感じるのが企業の一般的なパーセプションかと思われます。

以上


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